学習指導要領改訂の動きを押さえよう

「何を知っているか」から「何ができるようになるか」へ

学習指導要領の改訂に向けて、検討が進められています。学習指導要領は、学校の教育内容の基準となる文書です。次の学習指導要領は来年度中に改訂され、小学校が32年度、中学校が33年度、高校が34年度からの実施となる見込みです。

今後、教員になるには、学習指導要領の大きな方向性は必ず理解しておくべき内容です。採用試験でも、教育時事の一部として、面接や論文などで問われるテーマの一つです。

今回は、次の改訂のポイントと、各教科で挙げられている課題をまとめました。これらの背景を知っておくと、教育時事の理解が深まります。

改訂の大きな背景には、グローバル化や技術革新の急速な進展により、知識や技能が陳腐化するスピードが、かつてなく速い時代に突入していることがあります。そのため教育課程も、「何を知っているのか」という知識の体系をベースにしたものから、「知識・技能を活用し、何ができるのか」という汎用的能力(思考・判断・表現力、活用力、問題解決力など)の育成を主眼にしたものに転換する潮流が世界的に進んでいます。

今回の改訂では、「学習指導要領の構造化」をキーワードとして、そのあり方の見直しが行われています。まず初めに、教育課程全体や各教科の学びを通じて、「何ができるようになるのか」という視点を置き、「育成すべき資質・能力」を整理しています。その上で、それらの能力を育成するために、「何を学ぶのか」という指導内容を検討し、さらにその内容を「どのように学ぶのか」という学習プロセスを含めた教育課程を構築することを目指しています。

育成すべき資質・能力は、次の3つの柱にまとめられています。「(1)何を知っているか、何ができるか(個別の知識・技能)」「(2)知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)」「(3)どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びに向かう力、人間性等)」。

3つの資質・能力は、教科ごとに具体的な内容が検討されています。この内容は、今後の教育活動や授業をデザインする時の前提になるものです。学習指導要領の改訂で議論されているポイントと、主要5教科の主な課題をまとめました。全体像を把握し、理解を深めてください。

学習指導要領改訂のポイント

〇「何ができるようになるか」「育 成すべき資質・能力」を軸にした 教育課程。

〇「知識・技能の活用」「思考力・ 判断力・表現力」など汎用的能力 を重視。

〇「アクティブ・ラーニング(AL)」 など学習プロセスを重視。

〇教科横断的な視点の「カリキュラ ム・マネジメント」を確立する。

〇小学校:幼児教育との接続、外国 語教育の教科化(高学年)。

〇中学校:外国語教育の改善、義務 教育9年間の一貫性。

〇高校:ALの視点から指導改善、 「数理探究(仮)」「歴史総合」 等の新設。


 

参照元:教育課程企画特別部会 論点整理 補足資料(1)(文部科学省)

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/09/24/1361110_2_1.pdf

参照元:教育課程企画特別部会 論点整理 補足資料(3)(文部科学省)

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/09/24/1361110_2_3_1.pdf

関連記事