【連載】論作文講座 平成28年度試験に向けて 第2回

聖徳大学児童学科教授 渡邊恒雄

今年度の問題から要点を学ぶ

今回から、いよいよ実際の論作文について考えていくことにします。今年度行われた東京都の論作文の試験問題を見てみましょう。

制限時間は70分間です。

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次の問題について、1千字以内で論述しなさい。ただし、840字を超えること。

[問題]
各学校では、児童に自他の生命を尊重する心を育てる教育の充実を図ることが求められています。  このことについて、あなたの考えを述べた上で、その考えに立ち、どのように学級経営に取り組んでいくか、述べなさい。

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これが論作文の問題です。傍線は、筆者が引きました。

この問題を読み、何をどのように考えて答えたらよいのでしょう。

(1)字数は1千字以内、840字を超えていないといけません。また、時間は70分間で終了です。これが条件です。このような条件下では、字数は、限りなく1千字に近づけるのがよいでしょう。  (2)「自他の生命を尊重する心を育てる教育の充実を図ることが求められている」ことについて、「あなたは」どのように考えるかが問われています。

まず、どうしてこのことが求められているのかの背景について書く必要があります。

次に、あなたはそのことについてどのように考えるかを書かなければいけません(当然肯定的に答えます)。

(3)前記(2)の考え方に立って、どのような学級経営に取り組んでいくかを、次に述べます。ここで、「学級経営」という言葉に留意することが必要です。学級経営とはなんでしょう。それを頭に入れて書くことが大切です。

また、ここの部分が一番大切で、あなたの考えが十分に出せるところでもありますし、ここを具体的に書かないと字数が少なくなってしまいます。

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以上、3点について考え、論述していきます。つまり、論作文とは、字数や時間に制限のある中で、自分の考えを明確に述べ、試験官に読んでもらうのです(相手意識を明確にもって書くことがポイントになります)。

次回以降、書き方については詳細を述べていきますが、まずは、次のことに留意しましょう。

(1)論述をする前に、文章全体の構成を考えること。そのためには、構成をメモしてから書き始めること。

(2)実際の試験の時には、どのような解答用紙か分からないが、字数制限がされている場合は、字数が分かる解答用紙になっていることが多い。そこで、何行くらいまでに、問題の背景や自分の考えをそれぞれ書いたらよいのか、考えること。

(3)自分の考える学級経営を具体的に書くにあたり、読み手(試験官)に分かってもらうにはどのように書いたらよいかを考えること。

書けそうな人は、この問題の背景や、どのような学級経営をしたいのかを実際メモしておきましょう。もちろん1千字を目指して書いてみてもいいですね。

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