大学通信教育課程で切り開く いつでもどこでも学びの場に

k20151217通信教育表教員になる道

大学通信教育を活用して教員になる夢をかなえる。教員として資格をふやし力量をアップする――。教員免許状を取得するのに通信教育で学ぶ人が増えている。新規で取得する場合もあれば、現在もっている免許状を上位のものにする、他の教科や隣接校種をとるなど、教員としての幅と力量アップにつながっている。

 

大学通信教育課程は、自学自習なので、社会に出てからも学びやすい。その気さえあれば、いつでもどこでも学べるシステムだ。取得できる教員普通免許状には、小・中・高・特別支援・幼稚園、養護、栄養の各教諭がある。

その方法には大きく4つある。(1)新たに取得する(2)現在もっている免許状を上進させる(3)現在もっている免許状をもとに、同校種の他の教科の免許状を取得する(4)隣接校種免許状を取得する。

(1)新たな取得のひとつとして、大学卒業時に免許状を取っていなかった場合がある。教員になりたいと思った時点で、不足する教職・教科専門科目を履修すればいい。出身大学で単位がそろわない場合は、科目を置いている他大学の通信教育部に履修登録する。

(2)すでにもっている免許状を上位のものに上進させる。たとえば、中学校社会科の2種免許状を1種免許状にできる。この場合は、教員としての現職経験年数が必要なので、所定の経験年数と上位免許状取得に必要な科目と単位をそろえる。

科目等履修生として学習する方法が一般的だ。教壇に立ちながらグレードアップができる。ただし、勤務地の都道府県教育委員会規則を確認し、指定されている科目を履修しなければならない。

(3)他の教科の免許状を取得する場合。たとえば、中学校社会科を中学校国語科にしたいときは、必要な科目や単位を履修する。
だが、中学校2種社会科を中学校1種国語科にはできない。ほかの教科を取るときは、現にもっている免許状と同じ種か、下の種だけだ。

(4)現在もっている免許状の校種の隣接校種免許状も取れる。各学校段階間の連携を強化するためにできた制度だ。前提として、普通免許状で少なくとも3年間の教職経験をする。その間、良好な勤務成績だったと実務証明責任者が証明した場合、必要な単位を修得すればいい。教職経験を評価するので、修得単位が軽減される。

たとえば、幼稚園教諭普通免許状、中学校教諭普通免許状を有し、3年以上の実務経験があれば、小学校教諭2種免許状は13単位でとれる。

同様に小学校教諭普通免許状、高等学校教諭普通免許状をもち、3年以上の実務経験があれば、中学校教諭2種免許状はそれぞれ14単位、9単位でとれる。

小・中学校教諭の普通免許状をとるには、社会福祉施設等で5日間、特別支援学校で2日間の介護体験が必要だ。4月と10月の2期で入学を受け付けている通信教育課程では入学時期によっては在籍期間が長くなる可能性がある。

個人での介護体験希望は受け入れが難しいので、入学を希望する時点で大学に詳細を確認した方がいい。

近年、大学通信教育課程の活用が目立つのが、平成24年に創設された「幼保連携型認定こども園」の職員だ。学校教育と保育を一体的に提供する施設で、職員である「保育教諭」は、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を有するのが原則となっている。

しかし、両方をもっている者は少ない。円滑な移行を進めるために、5年間はいずれかを有していればよいという経過措置がある。5年間のうちに持っていない方を取得すればよい。

幼稚園教諭、保育士として3年間、4320時間以上の勤務経験者には、特例が設けられている。8単位を取得すれば、所持していない免許状がとれる。この単位取得に通信大学課程が、有効活用されている。

そのほか、大学通信教育では、学校図書館司書教諭、図書館司書、社会教育主事、博物館学芸員などの資格も取得できる。

大学通信教育は60年以上、学びたい人のニーズに応えている。平成11年4月には大学院修士課程も始まり、現在、43大学、27大学院、11短期大学で約24万人が学んでいる。

詳細は、(公財)私立大学通信教育協会サイト(http://www.uce.or.jp/)に。


体験者談 通信教育で教員への夢かなえる


夢に向かって一歩を踏み出す
明星大学通信教育部教育学部教育学科(27年度教採試験合格)
中川 和秀

「子どもたちを笑顔にしたい」と、大卒後は玩具メーカーとキャラクターブランドの企業で営業に携わりました。しかし、仕事を通じて子どもたちを知るうち、素直で懸命に生きながらも社会の急激な変化の中でストレスや不安を抱え、自信を持てずにいる子どもが少なからずいるのを知りました。次第に、物ではなく子どもたちと直接関わり、寄り添い、自分を信じる心を育みたいと思うようになり、いつしか教員への夢が芽生えました。

家庭があり、働きながらの学習を前提に、通信制大学の中から明星大学を選びました。義母がここで還暦間近に小学校の教員免許を取得し現在も教員として活躍しているのも大きな理由です。学校の雰囲気やテキストを見聞きし、安心して学べると確信しました。

通信は時間や場所を問わず学べますが、その分、自己管理が大切。入学時にはまだ営業職に就いていましたが、「2年半で教員免許を取得し40歳までに教員になる」と目標を立て、計画的に取り組みました。ひとりでの学習は大変なイメージがありますが、私はむしろ楽しく感じます。学んだ内容に次々と関連性が出てくるため、必要な知識を自分の好きなように追加していけるからです。それが通信のメリットではないでしょうか。

さらに印象的なのがレポートです。先生方がコメントを書いてくださるのですが、単なる添削を超え、これから私が教師として生きていく上で大切な心構えにまで踏み込んでいただき、とても感激し、励まされました。

私は、家族の理解とサポートにより仕事を辞め、自分の夢に向かって進めました。もし自分の夢に迷っているならば、とにかく一歩を踏み出してほしいと思います。その勇気をきっと、皆が応援してくれますよ。


子どもの心に寄り添うために
玉川大学通信教育部
小学校免許状取得
三田 彩加

今、小学校で教える立場になり感じているのは、玉川で学んだ教育方法や考え方が教員として自分の軸になっているということです。指導教授の現場での実体験を基にした実践的内容が多く、実際の教育場ですぐに生かせるものばかり。先生の熱意ある指導で身に付けた生きた学びは、今もしっかりと心に刻まれています。

私はスクールカウンセラーを目指して大学の心理学科で学んでいましたが、教員の方が「子どもたちの心に寄り添えるのではないか」と考え、大学3年の夏に教員免許取得を決意。いろいろな方からアドバイスを受け、卒業後、仕事をしながら通信制に通いはじめました。

玉川大学を選んだのは、教員免許状が取得できる通信教育課程として歴史があり、学生会活動を通して、同じ目的を持った人と学び合える環境があることに魅力を感じたからです。

苦手だったのはレポート学習。レポートが不合格となったときには落胆しましたが、どこがだめだったのか、何が足りなかったのか、丁寧に添削されていて、逆にそれが自分のためになりました。

スクーリングでは講義を直接聞くことで、テキストの内容をより深く、実感を伴って理解することができ、学習へのモチベーションも上がりました。私は年に2~3回参加し、多くの講義を受けました。特に道徳の指導法は印象的で、今でも仕事に臨む指針となっています。

通信制といっても、ひとり黙々と勉強するだけでなく、スクーリングや学生会活動を通じて多くの人と巡り会えたことが、学びを続けていく上で大きな支えとなりました。

これからも玉川の学びを糧に、子どもの心に寄り添う初心を忘れず、やさしい心と指導力を兼ね備えた教員として、子どもたちと関わっていきたいと思います。


中学校講師から養護教諭に
聖徳大学
社会福祉学科課程正科生
泉水 春那

大学卒業後、講師として中学校に赴任し、親との関係や進路に悩むなど、さまざまな悩みを抱えている生徒たちを、数多く目の当たりにしました。

そこで、クラス単位ではなく、学校全体という規模で生徒たちの健康面や精神面を見られるように、養護教諭を目指そうと決意しました。

仕事を続けながらの免許取得を目指していたので、職場と同じ千葉県にある聖徳大学を選びました。

計画的に学習を進めるうえで心がけたのは、1週間単位で学習スケジュールを組むことです。レポート作成とテスト勉強それぞれのカレンダーを毎週作ることで、その時々の進行状況をわかりやすく把握し、仕事で疲れて平日にできなかった学習は土・日曜日のうちに確実に終わらせるよう努めました。

1週間でやると決めた量は、甘えることなく、何が何でもその週に終わらせるよう、これだけは徹底して継続しました。

とはいえ、自分ひとりでの勉強には、苦しい時もあります。そんな時は、スクーリングで出会った仲間と連絡を取り合い、改めてモチベーションを高めながら机に向かいました。

また、通学課程の学生と一緒に採用試験の面接練習をしていただくなど、先生方の丁寧できめ細やかなサポートも大きな助けとなりました。

小学校の養護教諭となった今は、子どもたちが健康で元気よく明るい笑顔で登校している姿を見ることが、一番の喜びとなっています。

保健室は、子どもたちにとってやすらぎの場であるだけではなく、自己管理能力を育む学びの場でもあります。

私自身も、日々成長した姿を見せる子どもたちと一緒に成長しつづけていきたいです。


 大学通信教育参考サイト

玉川大学通信教育部

http://www.tamagawa.jp/

明星大学通信教育部

http://www.meisei-u.ac.jp/dce/

聖徳大学通信教育部

http://www.seitoku.jp/tk/

佛教大学通信教育課程

http://tsushin.bukkyo-u.ac.jp/