採用者数は依然増加傾向 競争率の低下も続く

採用試験実施状況調査から

文科省はこのほど、平成27年度教員採用試験(平成26年度に実施)の実施状況調査の結果を発表した。その結果、競争率(倍率)は、全体で5・4倍で、前年度の5・7倍より減少。平成12年度をピークに減少傾向が続いていることが分かった(28年度採用試験の実施方法に関する調査結果は、2月4日付号に既報)。

○3万2244人を採用

結果を見ると、受験者総数は17万4976人で、前年度より2844人(1・6%)の減少。昭和54年度から平成4年度までは一貫して減少していたが、以後17年度までほぼ連続して増加。その後横ばいとなり、22年度から再び増加。近年は横ばい傾向となっている。27年度は微減で、昭和61年度と同程度となっている。

採用者総数は、3万2244人で前年度より985人(前年度比3・2%)の増加。昭和54年度以降最も少ない12年度を最低値として、以降は増加が続いている。

競争率(倍率)は、全体で5・4倍、前年度比で0・3ポイント低下した。昭和54年度以降最高であった12年度をピークに低下傾向となっている。学校種別で前年度比をみると、小学校0・3ポイント減の3・9倍、中学校0・2ポイント減の7・2倍、高等学校は前年同7・2倍、特別支援学校0・1ポイント減の3・8倍、養護教諭0・9ポイント減の7・3倍、栄養教諭0・4ポイント減の9・2倍。

○高校のみ採用者数ダウン

各校種の採用者数と前年度比は、次の通り。

▽小学校=1万4355人(4・2%増)
▽中学校=8411人(0・6%増)
▽高等学校=5037人(1・8%減)
▽特別支援学校=2924人(10・2%増)
▽養護教諭=1338人(14・0%増)
▽栄養教諭=179人(9・8%増)
採用者数が多い自治体とその採用者数は、(1)東京都2972人(2)大阪府1910人(3)埼玉県1699人(4)愛知県1541人(5)千葉県1465人。
採用者数に大幅な変動があった自治体は、次の通り。
▽東京都616人増
▽大阪市261人増
▽茨城県176人増
▽横浜市217人減
▽神奈川県216人減

○難関は鹿児島、沖縄、宮崎

競争率(倍率)が高い自治体とその倍率は、次の通り。

(1)鹿児島県11・9倍(2)沖縄県10・2倍(3)宮崎県9・9倍(4)秋田県9・0倍(5)熊本市8・6倍。
学校種別に競争率が高い自治体をみると、次の通り。

▽小学校=(1)鹿児島県11・0倍(2)岩手県10・2倍(3)宮崎県10・0倍(4)愛媛県7・7倍(5)熊本市7・6倍
▽中学校=(1)秋田県13・7倍(2)鹿児島県12・9倍(3)宮崎県12・5倍(4)豊能地区(大阪府)12・2倍(5)新潟県11・4倍
▽高等学校=(1)鹿児島県19・4倍(2)福島県15・3倍(3)秋田県14・5倍(4)大分県14・3倍(5)山梨県13・3倍

○小は倍率2倍台も目立つ

一方、競争率(倍率)が低い自治体とその倍率は、(1)富山県3・3倍(2)大阪市3・5倍(3)滋賀県、新潟市各3・8倍(5)堺市、北九州市3・9倍。

校種別に競争率が低い自治体をみると次の通り。

▽小学校=(1)大阪市2・1倍(2)山口県2・3倍(3)茨城県2・7倍(4)富山県、滋賀県、鳥取県、新潟市2・8倍
▽中学校=(1)群馬県3・6倍(2)岐阜県3・8倍(3)静岡県、佐賀県4・4倍(5)茨城県、さいたま市4・6倍
▽高等学校=(1)滋賀県4・7倍(2)大阪府5・4倍(3)岐阜県5・9倍(4)茨城県6・2倍(5)静岡県6・3倍

○新卒採用の割合は35.1%

受験者の学歴別内訳をみると、人数と割合は次の通りである。

▽一般大学=12万1155人(69・2%)
▽国立教員養成大学=2万9323人(16・8%)
▽大学院=1万7032人(9・7%)
▽短期大学等=7466人(4・3%)
また、採用者の学歴別内訳を見ると、人数と割合は次の通り。
▽一般大学=1万9672人(61・0%)
▽国立教員養成大学=8640人(26・8%)
▽大学院=3169人(9・8%)
▽短期大学=763人(2・4%)

新規学卒者の割合は、受験者において30・3%で前年度同、採用者数においては35・1%で前年度比1・5ポイント増となっている。
また、採用者における教職経験者の割合は49・2%で、前年度比2・8ポイントの減。民間企業等の勤務経験者は4・6%で、前年度比0・7%の減であった。

4月からは採用試験の実施要項の配布が始まるが、その前にこのようなデータをよく分析して、受験する自治体を決めよう。

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