【連載】どう答える?場面指導⑫ 児童の誤答、授業にどう生かす?

元全国小学校道徳教育研究会会長 馬場 喜久雄

〈質問〉 算数の時間のことです。「円周から、円の中心までを半径と言いますね。では、円周から円の中心を通って円周までを何と言いますか」という問題を出したとき、Aくんは、「全径」と答えました。すかさず、B子さんが、「先生、違います。直径です」と言いました。あなたは、この後どうしますか。

□ ■ □

A1―1 せっかく答えてくれたAくんを配慮しながら、丁寧に「そうですね、B子さんの答えてくれた通り直径ですね」と言います。

Q1―1 それだけでいいですか。

A1―2 算数の用語は、しっかり教えようと思います。

▽気を付けようポイント

算数の用語を正確に教えるのは大切です。しかし、間違っていても、その考えを大事にするのはもっと大切だと思います。

◇ ◇ ◇

Q2―1 算数の用語をきちんと教えるのは大切ですが、間違っていても、よさを認めてあげるのが大切です。では、A君の答えのどこがいいと思いますか。

A2―2 径を使っているところかな。えーと、他には……。

▽気を付けようポイント

正解が分からなくてもいいのです。ここでは、返答の仕方を見るのです。考える努力と、しっかり勉強するという謙虚さを表しましょう。

◇ ◇ ◇
Q3―1 さて、この後、Cくんが「先生、Aくんのは、とてもいい考えだと思います。半分と半分で全径と考えたのだと思います」と言いました。あなたは、Cくんにどのように言いますか。

A3―1 そうか、そう考えたんだね。いいことを話してくれてありがとう。

Q3―2 そうですね。いい発言をしたCくんを褒めるのはいいですね。

▽気を付けようポイント

このように、いい発言を褒めるのが大切です。先を急ぐあまり、さっと通り過ぎてしまわないようにしましょう。

◇ ◇ ◇

Q4―1 さて、あなたは、どのくらい子どもの考えを予想できますか。

A4―1 「径」とか、「半径」とか、「半半径」とかです。

◇ ◇ ◇

▽回答のポイント

(1)教科での児童の多様な考えを大事にすると言いながら、いい答えばかりを発表させがちです。間違っていても、いい考えがあります。それを大事にしましょう。そして、しっかりと考えた子どもを褒めましょう。

(2)間違っていても、少し助言をすれば、正解になる誤答があります。どうやったら正解になるのか、みんなで考えるのもよい方法です。

(3)一人ひとりの発言や考えを大事にしており、みんなで学び合う姿勢で教科指導をやりたいという思いが、答えの中に表出されるといいですね。

(4)算数では、自力解決の様子をしっかり把握し、多様な考え方を大事にして、意図的指名をし、発表させ、その後、みんなで話し合い、考えさせるのが大切です。どのように、一人ひとりの考えを把握するのかを聞かれたときの答え方も考えておきましょう。

(5)課題解決をするために、子どもたちはどのような考えをするのか、しっかり予想しておくのが大切です。さらに、期待する解決方法もしっかりともっておきましょう。

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