あと3ヵ月で何に取り組むか ラストスパートをかけよう

成果と実力を発揮するために

新年度も間近。教員採用試験の1次試験は7月に行われるので、教員採用試験本番まであと3カ月あまりである。この3カ月、試験直前に取り組むべきことは何か、不安を取り除いて試験当日に実力をきちんと発揮できるようにするにはどのようにしたらよいか、直前対策を紹介する。

出願を手抜かりなく行う

前回の当紙面でもふれたが、教員採用試験を実施する自治体は、4~6月に願書受け付けをするところが多い。実施要項は4月ごろから配布される。素早く入手し、内容を確認し、手抜かりなく出願を済まそう。

要項配布や受け付け期間が短い自治体もあるので、よもやのことがないようにきちんと確認して対応してもらいたい。

複数の自治体を併願する場合は、今後の試験日程などを正確につかんでおかなくてはならない(自治体ごとの要項配布期間や願書受け付け期間は、必ず各自で確認のこと)。

3月までの教育時事を押さえる

この3カ月に取り組んでおきたい準備は、表にまとめておいた。

筆記試験に関しては、とにかく不得意分野を克服することに力を入れたい。1冊の問題集に徹底的に取り組むことも有効だろう。また、教員として当然知っておかなくてはならない教育法規については、改めて確認しておきたい。日本国憲法、教育基本法、学校教育法、地教行法、教育職員免許法などは、出題される可能性が高いので必須である。

教育時事問題の比率を高める自治体が多くなってきているので、十分な直前対策が必要だ。過去3年分、そしてこの3月くらいまでの時事は出題されるのでチェックが必要だ。購読者を対象とした本紙の記事データベースサービスの有効な活用もお薦めする。

文教行政のここ2、3年の動向もしっかり押さえる。文科省の各種答申や通知、特に中教審、次期学習指導要領の改訂に関するものは最重要として勉強したい。昨年8月にまとめられた教育課程企画特別部会の論点整理には目を通し、概要を把握すること。また、カリキュラム・マネジメント、アクティブ・ラーニングなどのキーワードは、必ず押さえたい。

いじめ、不登校、体罰、虐待、子どもの貧困などについても、その状況や国、自治体の対策を改めて確認し、自分が教員となった場合、どのように対応するのか、考えをまとめておくこと。

本番の条件で練習に取り組む

実技は、短期間に集中的に練習するとよい。小学校の体育や音楽の実技は、基本的な技術、正確さなどが求められる。中・高校の実技は、基本的な技術に加え、応用が求められるので、そのつもりでの練習が必要である。

論作文は、受験先の制限時間、制限字数に合わせて書く練習が効果的だ。面接も模擬授業や場面指導など具体的な場面を想定しての最終練習に入りたい。論作文も面接も、教育実習先の指導教官、臨時採用勤務校の管理職や先輩教師などで協力してくれるような方がいたら、見てもらうなどして積極的にアドバイスをもらうようにしたい。

過去の出題例などから論作文に出題されそうな教育課題をいくつか選び、それに関連する教育用語・キーワードをピックアップして整理しておこう。論作文だけではなく、面接や筆記にも役立つ。

残り3カ月は、筆記、論作文、面接などすべて本番と同じ条件で練習する。そして、何よりも大切なのは、健康に留意して体調万全で本番当日に備えることである。

リラックスして本番に臨むために

試験本番はどうしても緊張してしまう。試験本番に備えて、不安や緊張を切り替えて、実力を出し切るためにはどうしたらよいか。「自分に質問することで気持ちを切り替える」という方法がある。さまざまな場面で自分を有効な状態に切り替える質問をつかって、ベストコンディションに切り替えるというもの。

試験前の期間を区切って、具体的で効果的な質問例を表にあげたので参考にしてもらいたい。

論作文と面接に関しては、教育新聞社が6月に直前対策セミナーを開催する。ぜひこちらも活用してもらいたい。

本番まで3カ月あまり。体調に気をつけ、ラストスパートしよう。


 

ラスト3カ月で取り組むこと

○教育時事=今年3月までの重要時事を総まとめする。
○教職・一般・専門教養=総まとめを行い、不得意分野を克服するようにする。
○論作文=受験をする自治体の試験時間に合わせて書く練習をする。大学の教官、臨時採用での勤務校の先輩教師に見てもらおう。
○面接=志望者仲間と練習を繰り返す。模擬授業や場面指導を想定して練習する。教育実習先でも指導教官に見てもらおう。
○実技=短期間に集中して練習しよう。

自分なりの答えを考えておこう
問題行動等に関する具体的な面接の質問、論作文のテーマ

個人面接
・いじめが起きるのは、どのようなことが子どもたちに足りないからだと思うか。
・あなたが子ども時代に、いじめ、不登校に悩んでいる児童生徒が身近にいたか。あなたはそのとき、どのような対応をしたか。
・いじめに関して、学校ではどのような体制をとっていく必要があるか。

場面指導
・保護者から、「子どもがいじめを受けていると言っています。子どもが学校にもう行きたくない、と言ってきたらどうしたらよいですか」と相談された。具体的に保護者に対応してください。
・子どもが「絶対に秘密」と言って、昨日万引をしたことを告白してきた。子どもにどう話すか対応してください。

集団討論
・保護者との懇談で、保護者から「先生はこのクラスでいじめが起きているのを知っていますか。今後どのように取り組んだらよい、と思っていますか」と言われた。その場でどのように答え、その後どのように対応するか(教師は気づいていなかったという設定で)。

論作文
・(その自治体の問題行動等の実態を示し)このような現状を踏まえ、いじめ問題を解決するために取り組むべき課題を3点あげ、それぞれについての方策を具体的に、自分のこれまでの経験に触れながら述べよ。
・児童生徒の暴力行為が問題となっている。どのような行為が問題となっていると思うか。教育現場に入ったらどのような対応と指導をして改善を図ろうと思うか。具体的に述べよ。

気持ちを切り替える
自分への質問例

[試験1ヵ月~数日前]
・万全な体調で試験当日を迎えるために、いましておくべきことは何か。
・試験までにやるべきことで優先順位が高いものは何か。
・試験のために、日々習慣にしておいたほうがいいことは何か。

[試験前日]
・明日、ベストコンディションで試験に臨むためにいまできることは。
・明日のために、これからできる準備は何か。
・明日の試験がうまくいく理由は何だろうか。

[試験当日]
・これからベストをつくすために、何に注意すべきか。
・試験を成功させるために、いまできることは何か。
・試験が終わったら最初にしたいことは何か。

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