採用前に校長が望む力 コミュニケーション能力を

求められる多様な人材
全連小が教員採用で調査

全国連合小学校長会(大橋明会長)はこのほど、「都道府県教育委員会の教員採用選考試験等に関する調査及び教員養成・教育実習等に関する校長の意見等の調査」と題するアンケート調査の結果を発表した。採用前に備えていてほしい力として、コミュニケーション能力、子どもたちへの対応能力などがあげられた。このような傾向を知って、対応することが大切だ。

調査は昨年7月、全国47の都道府県教委と各都道府県10人の合計470人の小学校長を対象に行われた。

この調査は経年で実施されているが、平成24年の中教審答申「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」を受けて、それ以降は教職大学院に関する調査項目を加えている。

○学力試験免除等の要件は

「小学校教員の採用選考の多面化の状況について」の調査は、教委が対象。

「専修免許を有する者・教職大学院修了者に学力試験免除など」を「実施している」「今後検討する」自治体は、25年度24%、26年度28%、27年度32%と経年ごとに着実に増加。より専門的な知見を有する教員を確保する必要性が重視されてきていることがわかる。

講師経験者の学力試験免除等は、すでに多くの自治体で実施されており、25年72%、26年73%、27年77%。民間企業勤務経験者に対しての学力試験免除等は、25年51%、26年56%、27年45%。専門的分野の知識・技能を有する者の学力試験免除等は、25年51%、26年56%、27年59%。いずれも高い割合を示しており、さまざまな社会経験や多様な能力をもつ人材を教員に迎えようとしている自治体が多い。また専門的分野は、外国語と運動・スポーツがそれぞれ29%。芸術が16%となっている。

○実習受け入れ校に感謝の気持ちを

「教育実習及び大学で身に付けてほしい能力等に関して」の調査は、校長が対象。

現在実施している教育実習の課題を聞いたところ、24~27年の4年間で多少の順位の変動はあっても、課題の傾向に大きな変化はない。実習を受け入れる側が感じている課題は、「実習生受け入れの負担が大きい」50~61%、「実習生の指導・評価方針に明確な基準がない」47~56%、「大学や教育委員会のサポートが不十分」29~34%、「教員を志望しない学生の実習に対する姿勢」12~31%、「実習期間が短い」21~27%などとなっている。

学校現場では、次代の教育を担う教員の養成に貢献したいという気持ちは強い。しかし、社会的要請から年々複雑化する教育課題などへの対応で、学校・学級経営に多くの時間と労力をかけている。こうした中、実習後の学習進度の遅れや学級の乱れへの対応、実習生の指導に当たるベテラン教員の不足などの実態があることも確かである。

教育実習に行く者は、受け入れ側に感謝の気持ちを忘れないようにしたい。

また、教育実習に対して、大学に臨むことは。「実習の心構え、挨拶、社会人としての基本的なマナー等の指導」66%、「実習前に学習指導案作成の指導をしてほしい」33%、「実習期間中に必ず学生の授業を参観してほしい」32%、「実習前に学校でのボランティアを経験させてほしい」27%、「実習前に大学の担当者が学校訪問するなど連絡を密にしてほしい」27%など。

○子どもたちへの対応能力も重要

採用前に「大学で身につけてほしい能力」についても聞いている。校長が重要だとしてあげたものの上位は、「上司や先輩、保護者、地域とのコミュニケーション能力」58%、「ボランティア活動等を通しての子どもたちへの対応能力」51%、「児童の実態把握の手法」45%、「指導計画(指導案)を作成する力」39%、「挨拶などの社会人としての基本的なマナー」37%、「特別支援教育の基礎的な知識」26%などとなっている。
つまり採用試験に際して、このような力を備えていることを示せれば合格するということだ。7月の本番までに身に付けておこう。

関連記事