教育実習を成功させよう その3 子どもたちの実際を知る

○実習期間中は想像以上に多忙

実習の具体的な内容は、「授業の担当」「学級の担当」「部活動の担当」「清掃指導」「学校行事への参加」「教生日直」「授業見学・研究」「合評会」「実習記録への記入」など盛りだくさんである。実習期間中は想像以上に忙しいことを覚悟しておくことだ。

実習中は、実習校の所属教員が指導教官を務め、いろいろと指導してくれる。指導教官から聞いた実習中のアドバイスを下表にまとめておいた。

〇児童生徒理解に努める

実習中は、できる限り子どもたちとふれあい、具体的な児童生徒理解を学ぶことに努めたい。朝の遊び、授業中、休み時間、給食、清掃、当番活動、クラブ・部活動、係の活動などで積極的に子どもたちの中に入るようにする。

中に入るためには、まず名前を覚えることが重要だ。実習をはじめて2~3日のうちに学級の子どもの名前は覚えるようにしたい。最初は難しいかもしれないが、「よく挙手するのは○〇君」「授業中に冗談を言うのは▽▽君」「清掃をきちんとする□□さん」など特長と一緒に覚えるようにするとよい。

自分から声をどんどんかけること。まずは、「おはよう」「元気かな」などのあいさつからはじまって、「一緒に遊ぼう」「いま、一番楽しいことを教えて」「好きな勉強は何」など、休み時間に声をかけていく。基本的に子どもたちは、教師と話をしたいものである。こちらから、積極的になり、学級全員の子どもと一日のうちで必ずひと言は言葉を交わしたい。

遊びの中で子どもの本当の姿が見えることもあるので、特に遊びの輪に入るようにする。校庭に出て、縄跳び、リレー、ゴム段、ドッジボールなどに参加する。また、休み時間に外に出ない子どもにも話しかけてみよう。遊びの中で子どもの本音が聞けるので、授業だけではなく、いろいろな場面で子どもとふれあうこと。

実は実習生のことをもっともよく見ているのは指導教官ではなく子どもたちかもしれない。一生懸命取り組んでいるかどうか、子どもたちは分かるものである。全力で子どもたちに対応しよう。

○実習後は採用試験での対応を

実習が終わったら、実習記録を大学に提出するとともに、自分なりに成果をきちんとまとめておくこと。教員採用試験では、実習の成果をレポートで提出させたり、面接でどのような実習をしたか詳しく聞かれることが多いからだ。

実習期間中は緊張の連続で大変だが、最終日には児童生徒から「先生、がんばれ」と励ましの声をかけてもらったり、小学校であれば「お別れ会」を開いてくれたりして、思わず感動の涙を流すこともある。

教員という仕事のすばらしさを実感する貴重な体験であるので、心して臨んでもらいたい。

○教科教育・生徒指導の学ぶポイント

▽教科教育に関して

「指導」のことばかり目がいきがちだが、「目標」と「指導」と「評価」の一体化が大切。「評価」することが教師の専門職たるゆえんである。着任すれば、初任者といえども数カ月で児童生徒を評価することになる。そのため、評価の観点に基づいた児童生徒の学習状況をどのように見取るのか、練習したい。一方、日ごろの授業からどのように「あゆみ」や「通知表」などの評価につなげるのか、その方法を複数の教師から教わるようにする。

▽生徒指導に関して

生徒指導は問題行動の事後処理としてとらえられがちだが、本来一人ひとりの児童生徒の人格を尊重し、個性を伸長しながら社会的資質や行動力を高めることをめざして、学校教育のすべての場面において行われる教育活動である。

実際に学校現場ではどのような場面で(1)児童生徒に自己存在感を与えること(2)共感的な人間関係を育成すること(3)自己決定の場を与え、自己の可能性の開発を援助すること――が行われているか具体的に理解する。

指導教官から聞いた教育実習アドバイス
・時間には絶対に遅れない。
・あいさつは、必ずきちんとする。
・自己紹介のあいさつを事前に考えておく。
・大きな声ではっきりと話す。
・授業では、はっきりと、何度か指示を出す。
・授業はうまくいかなくて当たり前。落ち込んでばかりいない。
・教員には、教科指導、授業以外の仕事がたくさんあることを知るようにする。
・学校には、教員以外にも仕事をしている人が大勢いることを知るようにする。
・児童生徒と積極的にコミュニケーションをとるようにする。
・給食は一緒にとり、休み時間は一緒に遊ぶ。
・しかし、実習生であっても“教師”なので一線を引く。
・実習生控え室に閉じこもらない。
・実習をさせていただいている、という気持ちで臨む。

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