【連載】神谷正孝の5分でわかる教育時事 第2回 キャリア教育

テーマは本質的にとらえる

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾(kei塾/http://www.kei-juku.jp/)主任講師の神谷です。出願も始まりました。今年受験の方は、しっかりと時事テーマに備えましょう。今回取り上げるテーマはキャリア教育です。

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k20160512_02最近、「キャリア教育」という言葉を耳にする機会が増えています。就職・職業などとの関連をイメージする人も多いと思いますが、それでは少々近視眼的理解です。キャリア教育を理解するためには「キャリア概念」を理解する必要があります。

紙面の都合もあるので大胆に言い換えてしまうと、「キャリア」とは「在り方生き方そのもの」です。人生のさまざまな場面で人は役割を担います。そうした中で、自己の役割の遂行と仕事や生き方との調整を図っていくことになります。そこで、どのような価値観に基づき、優先順位をつけるかは、人によって異なります。しかし、有意義な人生を送るためには、そこにしっかりとした「軸」があった方が、選択の結果に根拠ができる分、幸せです。要するにそのような「軸」を作ろうというのが「キャリア教育」なのです。

よってキャリア教育では、(1)経験に基づく自己の特性理解(2)自己の価値観の把握(3)自己を生かすフィールド(=社会)の理解――の3点がポイントになります。

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(1)(2)については、過去の経験を現在の視点から再評価する「キャリアの棚卸」を通して言語化していきます。ここでは、自分自身の「よさ」を知り、自己についての肯定的な感情を高めることが大切です(そうでなければ、将来のことを前向きに考えられませんよね)。(3)については、自分が身を置く社会や仕事を知り、社会における自己の在り方を考えるということです。このようにして人は「自分の特性を踏まえた、主体的な進路選択をし、社会の中で自分を生か」そうとしていくのです。

キャリア教育の道筋をこのように考えると、各学校段階での取り組みの方向性が明確になります。

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すなわち、小学校では上記(1)(2)のポイントを中心に、個性や特性が発揮される場をどう作るかが、中学校では「職場体験活動」などを契機として、どのように社会とつながる「窓」を作るかが求められます。進路の最終的な選択決定の段階である高校段階では、これまでの経験や選択の結果を振り返り(自己の再評価)、自己の特性や個性に基づく主体的な進路選択・決定へと導く必要があります。

児童生徒にとって、最適な進路選択、それは「本人が主体的に考えて行った選択」にほかなりません。

およそ、このような視点から考えれば、的外れな意見陳述、論作文にならないはずです。

このように、時事的なテーマは、本質的にとらえることが大切です。

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