【連載】どう答える?場面指導⑮ 共通理解図り一貫性ある指導

元全国小学校道徳教育研究会会長 馬場喜久雄

 

〈質問〉学級に、きまりやルールを守れない子が数人います。どのように指導しますか。

□ ■ □

A1-1 道徳の時間に、きまりはなぜあるのか、なぜ守らないといけないのかを指導します。
Q1-1 果たしてそれだけでよいでしょうか。道徳の時間に規範意識を育てる指導は大事です。でも、今注意しなければならないのは、道徳の時間ではありません。生活指導や、学級活動の共通事項(2)の時間に指導します。

▽気を付けようポイント
道徳の時間の本質、学級活動や生活指導の役割などをしっかり押さえておくと、回答しやすくなります。

◇  ◇  ◇

Q2-1 人の物を取ったり、乱暴なことをする子に、注意したら、「何でいけないの?」と聞いてきました。この後どうしますか。
A2-1 はい、人の物を取ったら、相手が困るし、乱暴なことをされたらいやでしょう。と理由を丁寧に話します。
Q2-2 では、きちんとした理由があれば、人の物を取ってもいいのでしょうか。

▽気を付けようポイント
人の命に関わることや、万引など絶対にやってはいけないことがあります。理由を丁寧に説明して指導するものと、「してはいけないことはしてはいけない」と、しっかり指導するものとを区別しておきましょう。

知っておいて欲しい言葉に、「ならぬものはならぬ」という会津藩の教え(什の掟)があります。「私たちの道徳」(文科省)にも載っています。

◇  ◇  ◇

Q3-1 さて、規範意識を指導するに当たって、特に大事だと思うことを3つあげなさい。
A3-1 1つは、愛情を持って褒めたり、叱ったりすること。2つ目は、悪いことは絶対許さないという姿勢を見せること。3つ目は、保護者との連絡を密にすること。

▽気を付けようポイント
なかなかいい答え方ですが、1つ抜けています。それは、学校全体で、共通理解を持つことです。教師の間で指導が違っては、規範意識は育ちません。

◇  ◇  ◇

▽回答のポイント
(1)学校や社会のルールを守る意義や重要性を学級活動や道徳等においてしっかりと指導すること。
(2)具体的な指導内容について、全ての教職員の共通理解を図り、一貫性のある、かつ粘り強い指導をすること。
(3)きまりを守られない児童生徒に対し、毅然とした態度で臨むこと。
(4)次に示すのは、京都市教育委員会が示している「規範意識を育む褒め方、しかり方のポイント」です。参考にしてください。

ア、何がよかったか具体的に褒める。
イ、結果だけでなくその過程も褒める。
ウ、褒めることによって子どもを動かそうとするのではなく感動を与える。
掃除の後の例
「机をきちんと整理して並べてあるね」
「友達と仲よく協力してやってくれましたね」
「教室がピカピカになって気持ちがいいね」
「みんなを見て先生も頑張ろうという気持ちになりました」
エ、人間性を否定しないように具体的に叱る
オ、一貫性を持って叱る。
カ、成長を促すために叱る(自分のことを思っているから叱ってくれると感じさせる)。
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