今夏から筆答・実技重視 大阪市教委担当課長に聞く

大阪市教委は平成29年度公立学校教員採用選考について、筆答試験と実技試験をより重視する方針を打ち出した。今回の方針について市教委の山野敏和教職員人事担当課長に、その真意を聞いた。

――筆答・実技をより重視する選考にした理由は。

教育委員会は、筆答・実技・面接といった多面的な方法により、その総合点で合否を判定するという、人物重視の採用選考を実施しています。

しかし、大量退職・大量採用の時代を迎え、若手教員が増加していきます。それに伴い、新規採用者の指導力の向上が喫緊の課題となってきました。教科の内容や指導について、より高い専門性を持った人材の確保を進めるべきとの考えから、筆答・実技をより一層重視することとしたものです。

――今までの選考における課題はどこか。

このたびの変更は、これまでの選考における課題を改善するというより、教科の内容や指導について、より高い専門性を持った人材を積極的に採用していく観点から行うものです。
これまでも筆答・実技・面接といった多面的な方法による人物重視の採用選考を行ってきました。今年度は、面接で教員に求められる情熱や人間味などを担保しつつ、筆答・実技をより一層重視することによって、教師としての基礎力を備えた人材を確保していきたいと考えています。

――今回の変更に至ったきっかけは。

大阪市では、児童生徒の学力向上が喫緊の課題となっております。これまでもさまざまな施策を講じてきました。それらの施策がより有効性を発揮するには、それを担う教員の指導力の向上が不可欠です。そこで、採用選考において筆答・実技をより一層重視することにより、高い専門性を持った人材の確保を進めることとしたものです。

――他の教育委員会、学校現場、教員志望の学生、大学など周囲の関係者からの反応は。

今年3月に選考方法の変更を公表して以降、新聞やテレビで大きく取り上げられました。また、4月に各大学を訪問し採用選考の説明会を開催したところ、参加者からは変更内容に関する質問を多数お寄せいただき、関心の高さがうかがえたところです。

今後、7月の第1次選考における受験者数の動向を把握・分析し、次年度以降の選考方法を検討するための資料としていきたいと考えています。

――この方針により、今後の学校現場に期待することは。

学校園においては、採用後に自律性を備えた人材としてその能力を高め、教育活動で専門性を十分に発揮できるよう支援することが、ますます重要となっています。

OJTや校内研修を通じて、採用選考により確保した高い専門性を持った人材が、その実践力を高められるよう創意工夫を凝らして欲しいと思います。

――今後、教員志望の学生やサポートする大学に望むのは。

受験に当たっては、選考方法や採用予定者数など、教員採用選考の実施内容にどうしても目が行くと思います。

しかし、定年まで働くことも考えておいていただきたいです。ICTなどの充実した教育環境や、採用後も学び続けられる研修体系などにも着目し、それらの取組を総合的に推進している大阪市を、ぜひ優秀な学生のみなさんに選んでいただきたいと存じます。

なお、筆答・実技の重視といっても、面接も含めた方法によって多面的に人物を評価することに変わりはありません。筆答・実技に偏ることなく受験準備を進めていただく必要があると思います。

――上記以外に選考に関する課題は。

大阪市では、インクルーシブ教育の推進を掲げて取組を実施しています。その取組を担う特別支援教育の専門性を有する人材を確保することが、課題の一つとなっています。

このことを受け、このたびの選考方法では、特別支援学校教諭免許を有する受験者に全国最高レベルの加点制度を導入しました。この変更により、先ほど述べた課題の改善につなげていければと考えています。

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