不登校児童生徒への支援 文科省が最終報告案

「児童生徒理解・教育支援シート」など 
教育支援センターでの学習保障も

6月29日に開かれた文科省による「不登校に関する調査研究協力者会議」第14回会合で、不登校児童生徒への支援に関する最終報告案が事務局から提示された。報告案では、重点方策として(1)個々に合った支援計画の作成(2)学習機会の保障等が示された。

適切な支援計画を立てるために、報告案では「児童生徒理解・教育支援シート」の具体例を提示。これは欠席・別室登校・遅刻・早退日数のほかに、指導要録上の出席扱いとなる日数、本人や保護者の意向、支援目標と経過・評価などを記入するもの。さらに学級担任が日常観察の中で把握した学習上の課題や社会的自立に当たっての課題を記入した上で、他の教員と情報交換をしながら活用していくなど、学校全体での支援体制を構築する有効な手段になるという考えも示した。

学習機会の保障については教育支援センター等の活用で、学校外の機関で学習機会を整備することが重要だとした。

教育支援センターは不登校児童生徒の学校復帰を支援する機関として整備されたもので、多くの場合、通所することによって出席扱いにすることができる。平成26年度には1324カ所と整備が進んでおり、利用状況については同年度で12.1%となっている。今後は通所を希望しない不登校児童生徒に対しての訪問支援や「児童生徒理解・教育支援シート」のコンサルティングといった新たな役割を担うことを報告案は求めた。一方で、設置していない自治体が730以上(全体の40%)であることから、同センターの設置を含む体制整備を促した。

不登校児童生徒数は平成15年度の小・中学校で12万6226人だったのに対し、26年度には12万2897人と減少している。一方、不登校児童生徒のうち、学校内外で指導を受けた児童生徒数の割合は増加しており、学校内外の機関等を利用する傾向が大きくなっていることを示している、と報告案は示した。

【不登校】「不登校」とは、何らかの心理的・情緒的・身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある(ただし「病気」や「経済的な理由」によるものを除く)ことをいう。

【不登校特例校】平成15年度から「構造改革特別区域研究開発学校」制度として始まった、学習指導要領等によらない教育課程を編成して実施することを認める制度。指定要件は以下のとおり。

▽総授業時数が確保されていること▽児童又は生徒の発達の段階並びに各教科等の特性に応じた内容の系統性及び体系性に配慮がなされていること▽保護者への経済的負担への配慮その他の義務教育における機会均等の観点から適切な配慮がなされていること▽児童又は生徒の転出入に対する配慮等の教育上必要な配慮がなされていること。平成27年時点で指定学校数2960校。

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