小学校の採用数はピーク越え 東京都採用担当課長に独占インタビュー

中・高は今後5年間が山の見込み

東京都教育委員会は平成29年度公立学校教員の採用見込み数を大幅に減らし、前年に比べ約2割減とした。全国で最も多い採用数を誇る東京都の動向には、志望者のみならず全国の教育関係者からも注目が集まっている。そこで本紙では同教委の落合真人選考課長に独占インタビューを行い、今後の採用動向等について聞いた。

◇  ◇  ◇

――今後の採用見込み数の動向は。

小学校に関しては採用数のピークを越えたと考えています。教員の年齢構成の山が数年前は50歳代後半でしたが、現在は20歳代から30歳代前半に移りました。採用数は平成24年度選考がピークで最も多く、その後減少し、現在は若干増減していますが千人台の前半で推移しています。また既卒者から幅広い年齢層の方を採用し、年齢分布の平準化を図っています。

一方で中・高校については、これからの約5年程度でピークを迎えると見込んでいます。現在、50歳代半ばの年齢層に山があり、その層の退職に伴う採用数の増加が予想されます。

ただし、採用数は退職者数だけでなく、児童生徒数の変動、学校の新設・統廃合などにも左右されます。特に東京の人口増加は続いていますので、児童数等の変動を見込むことになります。

――特別支援学校の在学者数や教員数は増えていますが、それにもかかわらず見込み数を減らした意図は何ですか。

今年の採用見込み数が大幅に減っているのは退職者数の影響もありますが、その他のいくつかの要因が重なったためです。採用見込み数の算定は毎年度行っており、このような数字が今後も続くとは限りません。

――臨時的任用教員の在籍者数が年々増加している理由は。

小学校教員は女性が3分の2を占め、20歳代から30歳代前半に年齢構成の山があります。そのため、出産に伴い産育休を取得される方が増加しており、その後任補充で配置される臨時的任用教員の任用数が増えています。今後もこの傾向は続くと考えています。

――合格者に占める既卒者は66%(教育新聞調べ)です。新卒者と異なる採用枠や評価基準などは設けているのでしょうか。

採用枠や評価基準などを新卒者と既卒者で分けるといったことはありません。しかし、実務を経験された方は面接や論文でも実体験に基づき答えることができますので、面接官や採点者の印象も違うと思います。教職を経験されていない学生の皆様も、教育実習やインターンシップ等を通して、できる限り多く学校現場の経験を積んでほしいと思います。

――今回で選考方法の大きな改正点はありますか。

今年の大きな改正点は、小学校全科に英語コースを新たに設けたことと、英語の実技試験において音読に加え新たに聴解を追加したことです。試験官が話す英語に応答する聴解試験を追加しました。小学校での英語教科化に向けた取り組みと、グローバル化に対応できる優れた英語教員の確保が狙いです。この聴解試験は小学校全科の英語コースでも実施します。

――今後、教員志望者や教員養成大学等に望むことは何ですか。

東京都では、教科の専門性は当然ですが、豊かな人間性や幅広いコミュニケーション能力等についても重要視しています。学校現場も含めてさまざまな経験をし、未来の教育者としての力を高めていただきたいと考えています。教員養成大学等でもこれから教員を目指す学生にさまざまな実務経験や体験できる多くの機会を提供いただければと思います。

――東京都で教員になる魅力は何ですか。

東京都では教員研修体系がしっかりと整備されており、多くのメニューから選択し受講する機会が得られます。また、都独自の研修も用意しています。例えば小学校では、新規大学卒業者を対象とした「学級経営研修」で、新規教員が新人育成教員(再任用教員)から校内で直接指導・助言を受けることができます。さらに、より教科専門性を高める「東京教師道場」や「外国語(英語)科教員海外派遣研修」など多くの独自の研修があります。2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されますが、教育に関連したさまざまな取り組みも推進していきます。

ぜひ、これから教員をめざす多くの方に東京の先生を目指してほしいと思います。

関連記事