【29年度教採試験直前対策】回答のコツをつかめ ○×回答ダイジェストから学ぶ

いよいよ試験本番である。そこで、試験にすぐに役立つものとして、本紙好評連載中の「面接の○回答×回答―合格の成否を分かつ決め手」から、模範回答をダイジェストで再録する。○回答とそのポイントを見て、実際の面接でもあわてずに自分のペースで対応できるよう、回答のコツをつかもう。

生徒との信頼関係を基に

質問

普段まじめでおとなしいと思っていた生徒が校則違反をしたとき、どのような対応をしたらよいか教えてください。

○回答

いままでまじめな生徒が、校則違反をするには、それなりの理由や背景があると思います。厳しく追及して、力で抑え込むのでなく、話そうという気持ちに仕向けて、理由を探ります。

本人とともに、周りの友達や保護者からも話を聞き、背景を探り、原因をつかむための協力を求めます。このためには、日ごろからの生徒との信頼関係が得られるような学級経営ができていることが根底にあります。

一方、この行動は学校への警鐘と受け止めます。自分の学級だけの問題とせず、学年や学校の生徒指導上の問題として、収集した情報を提供して、学年や学校としての対応策つくりに生かします。

【コメント】

生徒指導の基本を押えたよい回答です。教師と子どもとの信頼関係がないところに生徒指導は成立しないこと、カウンセリングマインドの対応、教師一人の問題として抱え込まない対応の仕方まで述べている点がすばらしく、模擬回答案を作る参考にするとよいでしょう。

文教施策を正確に理解する

質問

東京都の教育プランについて知っていることを、あなたが取り組んでいる事例と合わせて教えてください(臨採向け)。

○回答

東京都の教育プランは、教育振興基本計画として位置付けられ、平成25年度からの5年間を中心に今後中・長期的に取り組むべき方向性と主要施策を示したものです。変化の激しい時代に、自ら学び考え行動する力、社会の発展に主体的に貢献する力を培うことを基本理念に5つの視点が示されています。

(1)子供の個性や能力を最大限に伸ばし自己肯定感を高める(2)「知」「徳」「体」の調和のとれた生きる力の基盤を培う(3)社会を生き抜く思考力、判断力、創造力を育てる(4)社会の一員としての自覚・行動力、社会貢献の意欲を高める(5)学校、家庭、地域・社会が連携・協力して子供を育てる――の5点です。これをもとに10の取り組みの方向が示されています。

現任校では、校長からこのプランを念頭においた学校経営方針が示され、教育課程を編成します。私は特に基礎基本の定着といじめ、児童の問題行動の未然防止に取り組んでいます。

【コメント】

細かいことですが、東京都教委では「教育プラン」という文言ではなく「教育ビジョン」という文言です。ここでは東京都が目指すこれからの教育についての理念、具現化の視点、取り組みの方向などを示していますが、きちんと理解がなされていますね。東京の教育の将来に対する構想(未来像)いわゆる教育ビジョンの趣旨についても理解を感じることができます。

管理職への報告を怠らない

質問

下痢や嘔吐をしている子どもを発見したら、どのように対応しますか。

○回答

その子と学級の他の子と教師との3点について申し上げます。

その子の状態を観て、今はじめての下痢や嘔吐なのか、何回か続いているのかを聞き、保健室に連れて行かせます。他にも同じような症状を訴える子がいないかを調べます。

私は学級全体の子どもへの指示と汚物の処理に当たります。

教室で嘔吐をしたときは、学級の他の子どもたちを、落ち着かせ空いている教室に移動させて、自習の指示をします。近くの教室の教師に声をかけて時々学習の様子を観てもらいます。汚物の処理にはマスクとゴム手袋を着用し、教室の消臭をします。

次に、養護教諭と保護者からの話を聞き、子どもの状態を管理職へ報告し指示を受けます。校医への報告や今後の対応についても指導を受けます。

【コメント】

配慮すべき視点を捉えた回答です。食中毒やウィルス感染などを考えて答えています。また、その子と他の子どもの安全を考えて答えています。自分一人の判断で処理せずに、養護教諭や近隣の教師の支援を受けることも必要です。管理職への報告と指導を受けて対応することも重要な視点です。

事実の記録をとりながら

質問

虐待をされている疑いのある子どもを発見したら、どのような対応をしますか。

○回答

はい、私は一人で抱え込まないで、養護教諭やスクールカウンセラー、学年主任、管理職の先生方に相談しながら、

次のような対応をします。

まず、養護教諭に体の状態を観てもらいながら、保健室で、原因についてその子の話を聞きます。聞きながらその子の反応を観ます。その結果を記録し、学年主任やスクールカウンセラー、管理職に相談します。

次に、校長の指導を受けて、保護者と面談の機会を持ちます。子どもの話と対応させながら、保護者の反応を記録し整理します。それを校長に報告します。

【コメント】

この回答のよいところは、一人で判断しないで自分の立場をわきまえ、それぞれの専門の教師に相談しながら対応している点です。また、具体的に、どのような手順で対応しようとしているかよく分かります。さらに、子どもや保護者との面談の事実の記録を取りながら、管理職へ報告や相談をしている点も、参考にしたいところです。

趣味を教育に生かす姿勢を

質問

趣味や特技をおもちだと思います。あなたの趣味について教えてください。

○回答

私の趣味は読書です。読書のよさは繰り返し何度でも読むことができる、読むことで想像の世界を広げることができる、自分を見つめ直す際のヒントが得られるなどです。私は読書によってその楽しみ・喜び感の体感ができました。

読書は想像力や洞察力、探求心などの伸長・深化と集中力の向上などに役立つと考えます。また、人としての生き方を学ぶことができます。さらに、情報氾濫の激しい、いまの時代にあっては自ら必要とする情報の収集、選択して活用する能力が求められています。また自ら課題を見つけ解決する力―「生きる力」も同様です。これらは読書の力で叶えられること大であると考えます。悩みを抱えたとき、解決のヒントを与えてくれるのも読書であり成長する上で極めて有用だと考えます。

私はこのことを教育に生かし、児童生徒の学習意欲につなげ、教育の目標達成に迫ります。

【コメント】

教員を目指すあなたが、趣味である読書を単なる趣味にとどめず教育に生かそうとする姿勢が評価できます。

『三国志』魏志に「読書百遍義自ずから見る(あらわる)」という言葉があります。どんなに難解な内容の書物でも、繰り返し読んでいるうちに自然と分かってくるという意味です。読書から学びの幅を広げ、一人ひとりの児童に生きていく。

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