【連載】どう答える?場面指導⑰ 納得させる話し方を考える

元全国小学校道徳教育研究会会長 馬場喜久雄

 

〈質問〉子どもが「掃除はプロの清掃員がやればいい」と主張します。どうしますか。

■ □ ■

A1 「自分たちで使っているところは、自分たちで掃除するのが当たり前」と言います。

Q1 それで子どもたちは納得しますか。

A1―2 さらに、掃除をしてきれいになると気持ちいいでしょう。と続けます。

Q1―2 自分たちでやらなくてもいいという子どもに精神的なことは通じますか。

▽気を付けようポイント

正しいことを言っても、通じない子どもは何人もいます。どのように説明するのがいいか、考えてみましょう。

◇ ◇ ◇

Q2―1 掃除をした時の気持ち良さや人の役に立っているんだという気持ちを持たせるには、どのような指導が考えられますか。

A2―1 道徳の時間に指導したいと思います。

Q2―2 どのように指導しますか。

A2―2 学級の実態に即した教材を使って、働くことの意義や喜びについて話し合わせたいと思います。

Q2―3 そうですね。

▽気を付けようポイント

「道徳の時間にやります」と答える人は多くいます。平成30年から道徳が特別の教科になりますから、道徳をしっかり頭に入れておくことは大切です。しかし、「道徳の時間を使って、掃除は自分たちできれいにやるように指導します」というような答え方はいけません。道徳の時間に何をするのかが分かっていないことが悟られます。

◇ ◇ ◇

▽回答のポイント

(1)どのように話すと子どもたちが納得するか考えましょう。

(2)先月号にも通じますが、各教科領域で、指導すべきことは何か、それぞれの特質を知っておくと答えやすいです。

(3)都内のある学校で聞いたことです。その学校は特別活動が盛んで、よく外国から視察団が来るそうです。その視察団が興味を示すのが「当番活動」だそうです。子どもが自分の生活環境を自分たちの手で整えて、快適に暮らす「掃除当番」や子どもが自分たちの食事を自分たちで用意して食べる「給食当番」への関心が特に高いそうです。

自分たちの環境を自分たちで整えて気持ちよく生活するのは、日本ではごく当たり前ですが、世界的には珍しい行動ということでしょう。このようなことは、今、世界で注目されている「日本型教育の価値」です。知っておくとよいでしょう。

(4)さらに、次のようなことも知っておくとよいでしょう。

トイレは、ほとんど自分たちで掃除をしなくなりましたが、次のような話しを知っておくと、「子どもたちにこういう話しをしたいです」と答えられるのではないでしょうか。

・イエローハットの鍵山さんは、トイレは自分たちできれいにしようという運動で全国を回っている。
・東武動物園の園長だった西山さんは、上野動物園に就職した時、便所掃除をさせられ嫌だった話。
・ディズニーランドのスタッフのトイレ掃除の様子。
・何年か前にヒットした曲「トイレの神様」。

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