【連載】面接試験の極意 第5回 多様な立場、質問の順序などに配慮

元東京都公立中学校長 磯谷律子

 

○場面指導を攻略しよう2

場面指導は主に(1)教育内容・教育課題(2)児童生徒対応(3)保護者・地域対応(4)その他・圧迫面接——に大別される。
「教育内容・教育課題」に関する質問と回答例を考えていく。

質問1「言語活動の充実をどのように進めるか」
回答「国語科において読み書きなどの基本的な力を定着させます。その上で、各教科等において記録・説明・論述・討論といった言語活動を取り入れます。万葉仮名で書いた自己紹介文を教室に掲示したり、教員として言葉遣いに気を付けるなど言語環境を整えます」→[ポイント]教科担当・学級担任・教員としての立場の3点から述べる。

質問2「学習意欲を高める方法は」
回答「授業では、本時のねらいを示し、アクティブ・ラーニングを取り入れます。担任として、教室に地図や年表を掲示し、学級文庫を置くなど学習環境を整えます。保護者の協力を得るために、家庭学習の手引を出し、宿題の出し方と点検方法を明確にし、努力が認められる機会を設定します」→[ポイント]授業・学級担任としての工夫、保護者連携の3点から述べる。

質問3「子どもに授業で満足感や達成感を与えるためにどのような工夫をするか」
回答「子どもから出た考えや言葉を丁寧に膨らませて、自分の力でやり遂げたと感じさせます。全体発表など、達成したことを仲間に認めてもらう機会を作ります。展示会などで学習したことを生かすチャンスを作ります」→[ポイント]自己肯定感や自尊感情を育成する方向で述べる。

質問4「キャリア教育とは何か。また、そのためにどのような学級経営をするか」
回答「キャリア教育とは、社会の中で自分の役割を果たしながら自分らしく生きるための教育だと考えます。そのために、社会生活を送るうえで大切な、挨拶や言葉遣い等の生活習慣を身に付けさせます。また、学級では係活動や委員会活動で、自分の持ち味やよい点を発揮させ責任感も育成します。さらに地域行事やボランティア活動に参加させます」→[ポイント]質問の順序に注意する。個性の伸長と、社会人として必要な資質能力の育成の2点から述べる。

質問5「不登校数が減少しないのはなぜか。あなたの学級から不登校生が出たら担任としてどう対応するか」
回答「不登校の主な原因は人間関係のもつれといわれています。その背景として、コミュニケーション能力不足があると考えます。担任として、初期の段階では、友達に迎えに行かせます。登校したら温かく迎える体制を整えておくとともに、係活動や行事などで役割を与え『あなたがいないと学級が困る』と話して本人の存在感を強調します。初期の取り組みにもかかわらず長期になった場合も、家庭訪問や電話等で本人および保護者を励まし続けます」→[ポイント]「上司への報告、指示を受ける」をプラスするとよい。

※いじめ、学力格差、特別支援、次期学習指導要領に関してQ&Aノートを作成すること。

(執筆者 元東京都公立中学校長。各所で教員志望の学生などを指導している)

特集