【連載】神谷正孝の5分でわかる教育時事 第6回 学習指導要領改訂 その1

皆さん、こんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾(http://www.kei-juku.jp/)主任講師の神谷です。来年の受験を控えている方にとっては、対策の本格的なスタートですね。そこで、今回・次回と、来年の試験の重要事項である「学習指導要領改訂」についてワンポイント解説を実施します。

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学習指導要領改訂に向けての動きが加速してきました。中央教育審議会の教育課程特別部会が審議のまとめを了承、今後は中教審答申、学習指導要領改訂へという流れです。今年度中に新学習指導要領告示という当初の予定通り進められています。

このスケジュールで進むと、小学校では平成32年度から、中学校では平成33年度から、高校では平成34年度から学年進行で実施という方向です。今後の採用試験においては、しばらく新学習指導要領に関連する話題が出題されそうです。

さて、新学習指導要領が告示されると、その後の採用試験の出題はどのように変わるのでしょうか。過去のケースを見ると、告示された年の1次試験(筆記試験)の出題傾向は、都市部では「現行学習指導要領」中心の出題、地方の一部において新しい内容の出題という形でした。その後、徐々に1次試験において新学習指導要領の出題が増えていくという流れでした。しかしながら、今回の改訂は大規模なものとなりますので、面接等で話題となることも多くありそうです。2次試験も視野に入れて情報を整理しておきましょう。

最初の学習指導要領は昭和22年に試案として示されました。その後、昭和26年のマイナーチェンジ(試案)を経て、昭和33年から学校教育法施行規則に基づき文部大臣(当時)による公示という形式で示される教育課程編成の基準という位置づけとなりました。以後、時代の要請や社会の変化、児童生徒の実情に合わせて、およそ10年に一度のスパンで改訂され、現行の学習指導要領(平成20年版)が8代目となります。

これまでの変遷をたどると、大きなターニングポイントを何度か挟んだものの、平成に入ってからの3つの学習指導要領は、基本的な方向性は変わっていません。まずは、平成元年版の学習指導要領からの流れを押さえたうえで、現行学習指導要領が理念として掲げる「生きる力」の育成について概要を整理しておきましょう。「知」の側面からとらえた「基礎・基本」「思考力・判断力・表現力等の活用する力」「学習意欲・学習習慣」という学力の3要素からなる「確かな学力」。「徳」の側面からとらえた「豊かな心」。「体」の側面からとらえた「健やかな体」。これらの調和が大切であり、総則においてこのような理念が説明されています。

新学習指導要領では、この総則の内容も大きく変わる見込みです。「アクティブ・ラーニング」の考え方を示し、「どのように学ぶのか」などの視点を盛り込むことや、学習評価の視点(「何が身についたのか」)など、新しい視点をもとに内容を整理する方向性が示されました。

改訂内容の詳細は、今後に譲りますが、新学習指導要領と比較し、「何がどのような視点で変わるのか」をつかむことは今後の試験対策にとって重要です。今後の「教育新聞」の記事など新情報に注意していきましょう。

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