【連載】面接試験の極意 第6回 子どもの考えを聞く学級経営大事に

元東京都公立中学校長 磯谷律子

 

○場面指導を攻略しよう3

場面指導は主に、(1)教育内容・教育課題(2)児童生徒対応(3)保護者・地域対応(4)その他・圧迫面接——に大別される。今回は「児童生徒対応」に関する質問と回答を考えていく。

質問1「授業開始時に席についていない子どもが数人いた。どのように対応するか」

回答「まず、着席している子どもを褒め、次回からもこのような状態ならとても素晴らしいと話し、○ページを黙読してね、と学習内容を指示します。着席していない児童に理由を聞き、次回からどうすればよいかを答えさせ、何回も同じ過ちをしないよう注意します。今日は着席していないお友達もいましたが、みんな、よりよく変わりたいと思っているということを全体に伝えます」

[ポイント]みんなができるようになりたいと思っているのを伝えることで、学級の一員として次回からどうすればよいかを一人ひとりに考えさせ、自覚させる方向で述べる。

質問2「学級でAさんが物を盗むというウワサがあると、数人の子どもが言いに来た。そのうちの一人Bさんが、たぶんAさんが盗んだと思う、と訴えた。どのように対応するか」

回答「まず、確かな証拠がない限りウワサをやめさせ、Aさんを疑わないように話します。次にBさんに事情を聴き、記録分析し、盗みが確かなものか考えを固めます。記録をもとに上司に報告相談し、ハッキリしたら個別指導により強い説諭をします」

[ポイント]人権尊重の視点から、ウワサをやめさせ犯人捜しをさせない。このことを確実に強く述べる。

質問3「班を決めるとき、好きな人同士で組みたいと数人の子どもが言いに来た。どのように対応するか」

回答「まず、どのような場面での班づくりかを目標に照らして考えさせます。活動の内容によって、好きな人同士か、そうでない方がよいかを話し合わせます。学級目標と関連付けて、どちらにするかを子どもたちに決定させます」

[ポイント]日頃から子どもの考えを聞き、子どもと相談しながら決めるという学級経営方針から述べる。主役は子どもたちである。

質問4「歌が下手なので合唱コンクールには協力できない、と話す子どもにどのように対応するか」

回答「歌が下手でも、自分の特技や能力が発揮できる係がたくさんあることを伝えます。そのことで級友から認められるように配慮します。例えば、歌のイメージを絵にする係、教室掲示板用の拡大楽譜の作成係、プレーヤー等の準備片付け担当係、練習後の評価発表係、学級紹介文原稿作成係などです。この活動を通して、人の役に立つ喜びも体験させます」

[ポイント]常に学級の一員であることを認識させる視点から述べる。

質問5「学級におけるADHDの子どもへの対応は」

回答「お手本となる子どもの後ろか斜め後ろの座席を用意します。指示・説明は簡素化します。すっきりとした教室環境を維持します」

[ポイント]クールダウンスペースを設けるのもよい(小)。

(執筆者 元東京都公立中学校長。各所で教員志望の学生などを指導している)

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