【連載】神谷正孝の5分でわかる教育時事 第7回 学習指導要領改訂 その2

改訂関連の「幹」部分を押さえる

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。来年の受験を控えている方にとっては、対策の本格的なスタートですね。前回に引き続き来年の試験の重要事項である「学習指導要領改訂」についてワンポイント解説を実施していきたいと思います。

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k20161006_01まず、学習指導要領改訂に向けての動きを押さえることが必要です。受験対策的な視点でとらえるのであれば、現在リリースされている中央教育審議会関連の資料については、本答申に同様の表現・内容で盛り込まれることが見込まれるため、指導要領改訂の背景や、全体的な事柄についての記述などについては要チェックです。

採用試験対策を視野に入れている教育新聞読者であれば、指導要領関連の各記事の「幹」の部分を押さえましょう。いわゆる「枝葉」の話は試験対策としては優先順位が低いです。例えば、高校国語科や社会科などで示されている「科目再編」については、それぞれの専門で受験する方々には重要項目ですが、それ以外の方にとっては(採用試験対策として)「枝葉」の問題です。では、「幹」に当たる部分は何か。今回は、審議のまとめで示された改訂の基本方針を軸に確認したいと思います。

審議のまとめでは、学習指導要領が、子供たちが身に付けるべき資質能力や学ぶ内容などの全体像を見渡せる「学びの地図」としての役割を果たせるようにすることが示されました。「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」などを明確にして、教育目標や教育内容を整理するということが言われています。

このうち、「何ができるようになるか」に直接かかわるのが、「生きる力」とは何かを明確化した「資質・能力の三つの柱」です。具体的には、(1)生きて働く「知識・技能」の習得(2)状況に対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成(3)学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性」の涵養——ということです。

「生きる力」については先月も確認しましたが、次期指導要領でも重要なテーマです。子供たちにこの「生きる力」をバランスよく育むことを目指し、言語能力、情報活用能力など全ての学習の基盤になる力の育成や現代的な諸課題に対応して求められる資質能力の育成が重要視されています。そのうえで、これらの力や資質能力の育成が教科等の枠組みを超えて育成されるよう、教科横断的なつながりを総則で示すとしています。

このように学習指導要領の枠組みが大きく見直される見込みです。総則などの表記が大きく変わります。総則では、改訂を目指す「理念」を「前文」として示すことや、学校段階ごとに「〇学校教育の基本」として、具体的に育成すべき力を明記するなど新しい視点も盛り込みながら、「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」の3つの視点から整理される見込みです。

私(神谷)が採用試験対策に携わって今年で20年あまりになりますが、その経験に照らし合わせても、かなり大きな改訂になりそうです。重要なトピックとして、新しい動きをしっかりとつかみましょう。来年度の採用試験に向けて本連載でも各論を解説していきたいと思います。

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