筆記の重要度がより増す 教採のプロに聞く来夏試験の傾向

「教育再生実行会議 第七次提言参考資料」(平成27年5月14日)から「これからの時代に求められる資質・能力と、それを培う教育、教師の在り方について」
「教育再生実行会議 第七次提言参考資料」(平成27年5月14日)から「これからの時代に求められる資質・能力と、それを培う教育、教師の在り方について」

10月に入り、教員志望者は次年度以降の対策を本格的に始動している。そこで、来夏の教採試験動向や志望者が備えておくべき対策などを、本紙「5分でわかる教育時事」で連載中の神谷正孝氏(教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師)に話を聞いた。神谷氏は17年間で7500人以上を直接指導している。

——来夏の採用見込数として、考えられる傾向や予想を教えてください。

地域的な事情もあるが、小学校は合格しやすい状況は続く。特にこれから大量退職を迎える地方は枠が広がっている。半面、都市部の大量採用は終わり、減少傾向である。

中学校も向こう5年間くらいは増加の見込みだが、採用の絶対数が少ないため、採用増による効果は実感しにくい。

高校は、年齢構成を見ると、地域によってかなりばらつきがある。50代が主力の地域と世代交代が完了した地域がある。このような事情があるが故、高校は予測が難しい。

——来夏試験の特徴として、考えられる傾向や予想を教えてください。

気になる動きが2つある。「筆記試験の重要度増」と、各種特別選考などにみられる「選考方法の多様化」である。

前者についていえば、「知識」や「教養」、「社会常識」を問う試験が増加しそうだ。最近2次試験において、一般時事や教育時事に関する質問も多くみられる。この動きも「筆記試験の重要度増」と同系列だろう。

後者は、小学校における外国語など現場のニーズに基づく選考やピークを持った多様な人材を採用するための特別選考、選考方法の見直しなどである。外国語・体育・芸術などの技能により試験の一部を免除する、グループワークなどを課す、筆記試験科目を増やすなどの多様な選考である。

現役生に関して言えば、自治体が実施している「教師塾」などの特別選考もこの流れに位置づけられる。

——来夏に向けて、どのような対策を心がければよいのでしょうか?

教職教養は本紙などの対策記事は大いに役立つ。限られた時間を有効に活用し、教職教養対策は効率的に行うことが大切である。

また、教職教養のみならず「一般教養」にも目を向ける必要がある。中教審の答申などでも「教養」重視の流れが伺える。「幅広い教養」の下地となるのは、時事的な事象について関心を持ち、調べ、理解することである。時事問題について理解を深めることは、児童生徒にとって魅力的な授業づくりにつながるはずである。

その上で、自治体の求める教師像や教育指針、試験選考基準などを確認しておく。受験者の経歴、特技・資格が評価されるのであれば、資格取得などそれを踏まえた受験対策計画も考えるとよいだろう。なお、一芸的な要素がない人は、当然、筆記試験で得点する必要がある。

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