模擬授業 成功のポイント

スムーズな授業に見せるには
子供の立場に立って進める
具体的な手法を考えよう

実際に教壇に立ったと想定して授業のシミュレーションを行う模擬授業——。臨採教員ならまだしも、現役生には、なかなか難しい試験である。模擬授業を成功させるポイントを面接官(採点官)経験者の話から探った。

模擬授業の時間は、1人当たり5~10分程度。教科指導だけではなく、生活指導関係のテーマが与えられる場合もある。やり方は、自治体によって多様ではあるが、一般的に会場に教壇と黒板が用意され、児童生徒が目の前にいると想定して行われることが多い。

会場には、採点官だけの場合、他の受験生が児童生徒役として数人座っていて交代で授業を行う場合とがある。

発問を考える

授業の課題は、あらかじめ通知される場合と、直前に示される場合とがある。課題が与えられたら、どのような指導を行うのかを考えなくてはならない。まずは、発問だ。的確な発問ができれば、模擬授業がスムーズにスタートする。さまざまな学習内容で活用できる発問のパターンは次の通り。

▽数を問う=例えば、学校のある設備が何種類の用途に使われるか、ある職員は何種類の仕事をしているか、など。
▽提案する=学校で忘れ物をなくすためにはどういう工夫をしたらよいか、など。
▽選ぶ=複数の選択肢を用意して選ばせ、その理由を問う。
▽矛盾を考えさせる=あることに努力しているのに、なぜできないか、など。

あらかじめ学習内容が分かっている場合は、このパターンを活用して、発問案をつくっておく。その場で対応する場合は、日頃からの学習内容をもとに発問を考えるトレーニングしておく必要がある。教材研究するときには、常に発問を考えることだ。その際の情報は、書籍やネットなどで得られる。「大造じいさんとガン 発問例」で検索すれば、多くの発問例を見ることができるので、それを参考にしながら、自分なりに発問をつくる練習をしよう。

指示を考える

授業をスムーズに進め、学習を効率的にするには、上手な指示のしかたが必要だ。「発問の後の指示が重要」ということは常に念頭においておく。ある資料を提示したあと、「この資料からわかるのは何ですか」と発問し、続いて「ノートに書きなさい」「班で話し合いなさい」「発表しなさい」などと適切な指示を出していく。子供たちが何をしなくてはならないのか、それがわかる指示を出すという点が大事だ。
指示では次の事柄に留意して授業を進めよう。

▽語尾をはっきり
「~しなさい」「〜しましょう」などと語尾をはっきりさせると印象がよい。「指示は短く、はっきりと」が基本。
▽数を入れる
「あなたの考えを2つ書きましょう」「AとBの意見、違いを3つあげてください」などと数をあげると考える目安がつきやすく、子供たちの立場に立って授業を進めているのがわかる。
▽「ささやく指示」を入れる
授業の重要事項を述べるとき、子供を教師の話に注目させるために、ささやくような指示を出す。これも子供の立場に立っている手法である。
▽ほめる
指示を出して、それに対する子供たち(児童生徒役の採点官、他の受験生)の回答、発表などがあったとき、すかさずほめよう。「しっかりした答えです」「さすが6年生です」などときちんと評価をする。
発問がよくても、指示があいまいでは採点官の評価が低くなる。発問と指示を、一緒に考えて練習しよう。
板書を考える

よい板書の基本は、「1時間の授業内容がわかりやすく表現されている板書」である。次の点に留意して練習する。

▽板書は、「早く、ていねいに、正しく」書く。模擬授業は時間が短いので、授業を構想したら、板書はためらわずに書き進めていく。
▽色チョークを適切に使う。赤、青、黄色など色チョークがおいてあれば、必ず使う。例えば、「キーワードは青で書く」「まとめは赤で囲む」などあらかじめ自分の中でルールを決めておいて、模擬授業のときに実践する。
▽記号や囲みなどは積極的に使う。見やすく、かつ構造的な板書になるよう記号などを効果的に使う練習をしておく。
▽子供たちの様子を確認しながら書いていく。黒板に正対して書くのが基本。模擬授業では子供たちの様子を確認しながら授業を進めている姿勢を示すために、途中で子供たちのほうを見たり、体を子供たちに向けながら書いたりする、といった工夫をしてみよう。ただし、きちんと書くことができるようになるのが最初である。板書した後は、子供たちが見やすい位置に立つ、というのも効果的である。
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