特別支援教育を押さえよう 障害者差別解消法の施行など

筆記や面接での出題目立つ

特別支援教育は、教採試験において取り上げられる頻度の高い事項である。筆記試験、面接等でも関連の質問がよく出される。今年4月に「障害者差別解消法」が施行されたが、これは学校教育現場にも大きな関連がある。特別支援教育に関して的確に勉強することが望まれる。

「障害者差別解消法」の正式な法律名は、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)」。国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として制定された。平成25年6月26日に公布され、今年4月1日に施行された。

障害を理由とする差別的な取り扱いを禁止するため、行政など公的機関に対し、「障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない」(同法第7条2項)と障害者に対する支援を義務付け、また民間企業にも努力義務を課した。「合理的配慮」がキーワードとなる。

合理的配慮とは、障害者が障害のない者と平等に人権を享受し行使できるよう、一人ひとりの特徴や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、個別の調整や変更のこと。著しく均衡を逸することなく、障壁除去を行うべき実施者の、過度の負担にならない範囲で、障害者に支援・配慮することを求めるものである。

同法に関しては、関連行政機関などからリーフレットなどが出ている。それらを活用して内容をよく理解しておく必要がある。文科省では、平成27年11月に「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針の策定について」(対応指針)を出している。学校教育については、「障害のある幼児、児童及び生徒に対する合理的配慮の提供については、中央教育審議会初等中等教育分科会の報告に示された合理的配慮の考え方を踏まえて対応することが適当であり、主として以下の点に留意すること」として、5つの留意点を示した。ホームページなどでこれにも目を通して、しっかりと確認しておきたい。

また、特別支援教育は、平成19年度にそれまでの特殊教育から転換されたものであることもきちんと押さえる。15年に出された調査研究協力者会議の最終報告「特別支援教育の在り方について」において、「障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う『特別支援教育』への転換を図る」と打ち出され、18年に学校教育法など関連の法令が改正、19年度からは従来の障害の種類と程度に応じた特別な場で行う特殊教育から、障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに基づく特別支援教育となった。さらに、26年に国連の障害者権利条約が批准されて、特別支援教育をインクルーシブ教育システムの中で考えなくてはならなくなった。

最近の特別支援教育の参考書などを入手して、これらの経緯を一通り学んでおこう。

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