【連載】神谷正孝の5分でわかる教育時事 第9回 児童生徒の生徒指導上の諸問題(1)いじめ 

ローカルな実情も把握しよう

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。10月、文部科学省から平成27年度の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(問題行動調査)」の結果が公表されました。本紙面においても考察がなされているところですが、採用試験対策としてどこに注目すべきか、ポイントを整理してみたいと思います。今回は、「いじめ」問題を取り上げたいと思います。

◇  ◇  ◇

平成27年度の問題行動調査によると、年間およそ22万4500件のいじめが「認知」されています。

認知件数の推移を見てみると、調査方法の変更があった後に数値が跳ね上がり、以後減少、ということを繰り返しています。24年あたりからは、微細な案件もいじめとして積極的にカウントしようという流れが加速してきており、その結果が27年の小学校での増加につながっているものと思われます。

さらに、この数値を都道府県別に見てみると一番認知件数の多い千葉県(約2万9600件)と一番少ない佐賀県(351件)の差が80倍以上にもなっており、人口の差を考慮しても一律に件数のみで比較することに無理があることがわかります。全国で合算する数字にも意味がないように感じます。

したがって、採用試験対策においては、大まかな数値や傾向を押さえることは必要ですが、それよりもローカルな実情を把握することが大切になります。自分が受験予定の自治体では、どのような実情なのか、増えているのか減っているのか。もし、急激に増えているのであれば、そこには何らかの意図が働いています。つまり、積極的にいじめを認知しようという方針が採られたことを意味しています。
1次試験においては、いじめの概要を把握することが大切です。認知件数・いじめの態様などの傾向を学校種別に押さえることが必要です。生徒指導提要やいじめ防止対策推進法など、空欄補充形式で出題された際に、キーワードを埋めることができるように読み込んでおきましょう。

2次試験では具体策が問われます。「未然防止」「起きた際の対処」「再発防止」の3つの視点から取り組むべきことを整理します。

対処において、最優先はいかなる場合も「被害者を全力で守る」ということです。そのあとの対応は、事案によって優先順位が変わりますが、方策の中に「保護者への連絡」「管理職への報告・相談」「全体への指導」の視点も忘れずに入れておきましょう(「生徒指導提要」に対応の基本がまとめられています)。

問題行動調査によると、年度内にいじめが解決する割合は88・6%です。このことは、教師が適切に介入することで、9割近くのいじめを解決することができるということです。

「いじめ許すまじ」という強い姿勢をしっかり伝えたいものです。

いじめ問題のポイント整理

あなたへのお薦め

 

特集