年間の仕事を知ろう 学校経営の視点にも注目

教採対策として学校現場の仕事の年間の流れと、それに関わる学校経営の仕事をみてみよう。論作文、面接の回答にこれらの要素を取り入れたい。特に、学校経営への参画意識をもっているのを示す対応、評価が高くなる。

たいへんな仕事量を知る

小学校の一般的な年間行事予定を示していく。2学期制の学校もあり、また、夏季休業日の短縮などもある。運動会も春開催、秋開催があり、自治体や学校ごとに多少の違いがある。

新任の教員としては、新学期・学年のスタートが重要になろう。赴任する学校が決まり、着任したら、すぐに教員としての仕事が始まる。先輩、同僚の教員たちの名前を覚え、学年学級が決まったら、前担任との引き継ぎで学年や学級の雰囲気、児童生徒の様子などを聞き、同学年の教師とともに1週間の見通し(計画)を立てることに取り組む。そこでの主な業務は、「クラス名簿の作成(ふりがなをつける)」「1週目の週案(学習指導案)の作成」「座席の決定(はじめは名前順など)」などである。

そして、児童生徒との出会いがあり、子供たちとともに歩む教職生活に入る。

4月は、着任式、始業式、入学式など重要な行事に始まり、校務として仕事も分担される。引き続き、初任者はだれでも緊張する最初の保護者会がある。学年経営方針、学級経営方針を明確に示すことで保護者からの信頼が得られる。資料作成を綿密に行わなければならない。ゴールデンウイークのころは、おそらく疲れのピークになるかもしれないので、十分なリフレッシュが必要だ。

1学期はこのほか、授業参観・学校公開、家庭訪問・地域めぐり、遠足、PTA総会、避難訓練など重要な行事が目白押しである。前述のように運動会がある場合も。終了時には、成績評価、夏季休業の過ごし方の指導などの重要な仕事も控えている。

1学期だけでたいへんな仕事量にみえるだろう。もちろん年間を通じて児童生徒と向き合い、指導し、学級としてまとめていかなくてはならない。

常に課題と向き合っている仕事である。

「学校は組織」を常に念頭に

重要なのは、学校は組織で動いているのを忘れないことだ。「組織とは、共通の目的を達成するため、二人またはそれ以上の人間の意識的に調整された行動のシステム」である。

アメリカの経営学者バーナードの著名な言葉で、学校経営に関する研修などでもしばしば引用されている。

ここでいう「共通の目的」を学校教育に当てはめると、学校教育目標、目指す児童生徒像、校訓などである。「二人またはそれ以上の人間」は、校長をトップとする教職員である。校長をはじめ、副校長・教頭、主幹教諭、主任(指導)教諭、教諭、養護教諭、講師、事務主事、学校栄養士、用務主事、給食主事などがおり、さらには学校医、学校薬剤師、学校評議員、PTA役員・会員もいる。

それぞれが、学校教育法などで規定された役割をもち、「行動のシステム=校務分掌」に携わる。校務分掌は、「小学校においては、調和のとれた学校運営が行われるためにふさわしい校務分掌の仕組みを整えるものとする」(学校教育法施行規則第43条)とされている。

「チーム学校」という言葉が注目を集めているが、学校における仕事はチームワークが必要であり、組織を常に意識して行う運営が求められる。教員は学校のスタッフとして、校務分掌の担い手の一人である事実を忘れてはいけない。担任する学級だけでなく、学年、教科部会なども意識する。学校経営に自分も参画しているという意識が大切で、論作文の作成、面接の回答に際してもこれを忘れないことが重要だ。

次に、学校における年間の主な仕事と、関連する学校経営関連の仕事を示しておく。

教員の仕事・学校経営の仕事(3カ月ごと)

▽4月
 ・着任式=各区市の教育委員会で主催。4月1日または2日に実施。 
 ・始業式=児童生徒と初めて出会う。
 ・入学式
 ・健康診断=4月から6月にかけて順次実施。
 ・最初の保護者会=学年経営方針、学級経営方針を明確に伝える。
 ・授業参観・学校公開=1日をかけて。1週間学校公開という形式も増えている。
 ・家庭訪問・地域めぐり=減ってきているが、意義はある。夏季休業中に実施する学校もある。

▽5月
 ・ゴールデンウイーク
 ・遠足=目的、安全管理ををしっかりと。
 ・PTA総会
 ・避難訓練=防災の観点から非常に重要。
 ・教育実習=先輩としての姿を示す。

▽6月
 ・学校公開
 ・移動教室・修学旅行=授業の一環としての意識を。
 ・水泳指導開始=安全管理をしっかりと。

〈4~6月期の学校経営課題〉
 「経営方針の作成および教職員・保護者等への周知」「教育課程の編成」「組織の編成、校務の分掌」「教育計画の作成」「問題行動への対応」「学級経営案作成への指導・助言」「校内研究・研修の計画と実施」「児童生徒指導要録の作成」「地域との連携推進」「自己申告書に関する指導および面談」「危機管理の推進」「水泳の指導計画作成」「運動会の計画と実施(春季に実施の場合)」

▽7月
 ・授業参観
 ・1学期成績評価=下書きで必ず管理職に点検してもらう。
 ・終業式
 ・夏季休業=生活習慣、安全指導。教員は勤務。研修、自己研鑽を高める。
 ・夏季プール指導

▽8月
 ・臨海林間学校

▽9月
 ・始業式=1年で一番長い学期がスタート。
 ・社会科見学
 (2期制の場合前期修了)
    
〈7~9月期の学校経営課題〉
 「成績処理、通知表の作成」「夏季休業中の指導の準備」「危機管理の徹底」「水泳指導の危機管理」「夏季休業中の教職員への指導」「防災訓練(9月)の計画立案と実施」「学校経営の確認」「夏季休業明けの子供の生活状況の把握と指導」「運動会、学芸会などの計画立案」「校内研究・研修の点検と充実」

▽10月
 ・運動会=担当の係の仕事について、計画性をもって。
 ・避難訓練=引き取り訓練を実施。
 ・老人ホーム訪問=総合的な学習の時間との関連で増加。
 ・読書週間=朝読書など、さまざまな取り組みを。

▽11月
 ・就学時検診=来年度の新1年生を対象。
 ・安全指導教室
 ・演劇鑑賞教室
 ・学芸会=国語との関連を図り、表現力を伸ばす場。

▽12月
 ・個人面談
 ・保護者会
 ・2学期成績評価=1学期からの変容をみる。
 ・終業式   
 ・冬季休業

〈10~12月期の学校経営課題〉
 「学校評価の中間評価」「教育課程の実施状況の確認」「自己申告書の中間評価」「学校行事(学習発表会、文化祭、展覧会等)の実施」「全国学力・学習状況調査の適切な活用」「学級崩壊、授業崩壊への指導・対応」「保護者からの要望、意見等への対応」「次年度の人事構想」「校務分掌の実施状況の確認」「2学期末の成績処理への指導」「冬季休業中の学習、生活などへの指導」

▽1月
 ・始業式=学年のまとめの意識を。
 ・私立中学等入試(小学校) 
 ・学校説明会=新一年生の保護者対象に実施。
▽2月
 ・指導要録=1年間を通した学習・生活の様子を記録。
▽3月
 ・成績評価
 ・お別れ会
 ・卒業式
 ・修了式=新学年への意欲をもたせる。
 ・春季休業

〈1~3月期の学校経営課題〉
 「学校評価(自己評価)の結果分析」「学校評価(第三者評価)の実施」「次年度の学校経営方針および教育課程・教育計画の構想と作成」「教員の自己申告書への対応」「進路の指導」「予算執行状況の点検」「新1年生への入学説明会・保護者会」「次年度人事への対応」「春季休業中の指導の確認」「卒業式の計画、実施」「次年度への引き継ぎ」

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