【連載】どう答える? 場面指導 22 明日が楽しみな授業に

元全国小学校道徳教育研究会会長 馬場喜久雄

 

〈質問〉どうしても忘れ物が減らない子がいます。どう指導しますか。

■ □ ■

A1―1 教室に忘れ物表を掲示し、一回忘れ物をしたごとに丸を付けていき、意識させます。
Q1―1 教室にそのようなものを掲示していいでしょうか。  

▽気をつけようポイント

以前は、そのようなやり方が認められていた時期もありますが、根本的に、人権に引っかかる問題です。教室にそのような掲示をするのはやめたいものです。

◇ ◇ ◇

A2―1 忘れ物をしないという目標を立てて守らせるようにします。

Q2―1 目標を立てて守れるほど簡単な問題ではないですよ。

A2―2 毎日帰る前に、明日の持ち物のメモを取らせ、それに従って道具をそろえるようにします。

Q2―2 うちに帰ってから、メモを見なかったら。意味ないのではないでしょうか。

▽気を付けようポイント

忘れ物をしないという目標を立てることも大切ですが、目標を立てたからといって忘れ物が減るわけではありません。目標に向かってどのようにしていくのかを考えさせる工夫が大切です。

メモを取らせるのも一つの方法ですが、うちへ帰ってからメモを見させる習慣をどうつけるかが大事です。メモを取らせる以外に、どんな方法があるか考えてみてください。

◇ ◇ ◇

Q3―1 なぜ忘れ物をするのかを考えるのも大事です。どんなことが考えられますか。

A3―1 次の日のことをあまり意識していない。前の日に明日の準備をする習慣がついていない。朝、バタバタと用意をして出ていく。ゲームとかテレビなど、ほかのことに夢中になって忘れてしまう。などです。

Q3―2 そうですね。いろいろ出ましたね。では、そのような原因に対して、どのような指導をしたらよいでしょうか。

A3―2 一人ひとりに合った指導をしたいと思います。

Q3―3 一人ひとりに合った指導は大切ですが、それだけでしょうか。学級全体に関わる原因はないですか。

▽気を付けようポイント
一人ひとり原因が異なる場合は、一人ひとりに合った方法で。学級全体に関わる原因は、みんなで考えたり、先生がその原因をしっかりとつかんだりするのが大切です。

◇ ◇ ◇

回答のポイント

(1)一番大事なのは、明日が楽しみになるような授業をすることです。そうすれば、忘れ物は一気に減ります。

(2)忘れ物をしないことが、学力向上につながります。前の日にしっかりと次の日に必要なものをそろえる行動が大切です。どのようにして、そのような習慣をつけるかが課題でしょう。

(3)家でしっかりと次の日の用意をすることについては、家庭の協力が大です。低学年では、一緒に準備してやる、中学年では、声掛けをするなど、発達段階に合わせて協力するように保護者に話しましょう。

(4)「必ず目につくところにプリントを」―ランドセルを開けたとき、子供が持ち物を書いたプリント必ずを見るようなシステムをつくる。例えば、ランドセルの手前側のポケットに透けて見えるように入れるようにする。少し工夫をして、ふたの裏側にポケットを作り、プリントを入れ、ふたを開けるとプリントが落ちてくるようにすると、子供は楽しんで取り組むことができる。

(5)「別の目的を作って利用する」―先生からのメッセージや帰りの会でのクイズの答えを書いた手紙と、明日の持ち物を書いたプリントを、ランドセルの同じポケットに入れさせる。手紙は家に帰ってから見るように伝えることで、ランドセルを開け、手紙とともにプリントを見ざるえないシステムをつくる。

 ((4)と(5)は、『メンタリストDaiGOの学級経営が5分で変わる心理学』文渓堂から)

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