【連載】神谷正孝の5分でわかる教育時事 第10回 児童生徒の生徒指導上の諸問題(2)小・中不登校

基礎データをしっかり押さえよう

あけましておめでとうございます。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。先月に引き続き「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査(問題行動調査)」の結果の分析です。今回は、「小・中学校の不登校」を取り上げたいと思います。

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小・中学校の不登校は平成13年度をピークに、連続減少と増加を繰り返していて、単純な比較では傾向を一言では言い表せません。したがって、試験問題などで「減り続けている」「増加の一途をたどっている」などの選択肢は選ばないようにしましょう。また、不登校率(1千人当たり不登校児童生徒数)を見ると、高止まりの傾向も見受けられ、近年は増加の傾向です。特に東日本大震災の被災地では深刻な問題です。

不登校の定義は「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただ、病気や経済的理由によるものを除く)」とされており、年間30日以上欠席した者をカウントしています。今回の調査から、欠席日数が多い不登校児童生徒のうち、出席日数が特に少ない者を調査しています。その結果、不登校ならぬ「無登校」の実態も明らかになってきました。

採用試験対策としては「基礎データを押さえる」のと「対応策の基本的方向性を押さえる」のが大切です。「基礎データ」では、(1)学年別にみると中学校1年生で急激に増加し、以後増加の一途をたどり、中3で最大となる(2)不登校の予後(再登校率)は低く、約3割であること(3)不登校のきっかけは多様である——などを押さえることが大切です。

不登校への対処については、大きくいうと「不登校にならないような学級経営(未然防止)」と「不登校となった後の支援の方策(事後対応)」の2つの方向性で考えていくことができそうです。

このうち、上記ポイント(2)に着目すると、未然防止が最重要テーマになるのではないでしょうか。

「どのようなクラスづくりを進めるか」「そのために具体的にどのように児童生徒と向き合うか」などが面接や論作文で問われたときに、対応できるようにしておきましょう。

上記ポイント(3)に関連して、中学校では不登校のきっかけとして「学業不振」の関連が低くないことを踏まえ、「わかってできるようになる授業づくり」などの視点も盛り込むとよいでしょう。

事後対応では、不登校を「心の問題」として捉えるのではなく、「将来の進路の問題」として捉えることが基本路線です。具体的な対応としては、今後配置が進められる見込みの社会福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカーとの連携など、「連携ネットワーク」による対応が求められます。生徒指導提要で確認しておきましょう。

※大学時代のボランティア経験などをもとに、面接などで自信満々に不登校児童生徒への対処方策を話す人がいますが、不登校児童生徒の置かれている状況や不登校に至る原因や理由が多様であるのを考えると、過信と受けとられないように注意したいものです。

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