教育時事を「自分事」に! 試験対策のための新聞活用法

今夏の採用試験まであと半年。教育新聞を最大限に活用して、教育時事の対策を進めていきたい。

教員採用では、面接試験などを通じて、教育時事の課題にどのように対処するか、教師の立場になった考え方や具体策が問われる。日ごろから、教育新聞の紙面などを通じて、教育時事に触れておくようにしよう。

教育ニュースをただ読んで知るだけでなく、教育時事について、自分の学級や授業を想像し「教師として自分は何をするか?」「自分は担任としてどうするのか?」という視点から、「自分事」として具体的に考えながら読むことが大切だ。

具体的な作業では、考えたことを頭の中だけで終わらせずに、目に見える形にすることが大切だ。

はじめは、マーカーを引きながら新聞を読むことをお勧めする。重要な箇所に線を引いたり、気になるキーワードをマーカーしたりすることで、自分の知識として消化しやすくなる。簡単な方法なので、無理をせず、続けていくことが重要だ。さらに慣れてきたら、スクラップノートを作ってみよう。

教採ジャーナル1月26日(3499)号-1

スクラップノートの作り方の一つを紹介する。ノートは1記事・1テーマを見開きで使用する。左ページに記事を貼り、右ページに自分のコメントを記入していこう。

コメントを記入する上でのポイントは3つある。

1つ目は、記事の要点を簡潔に自分の言葉でまとめることだ。理解が格段に深まるようになり、論作文の練習にもなる。文章が難しければ、箇条書きでもOKだ。

2つ目は、記事内のキーワードについて、知っていること、疑問点、調べたことなどをまとめよう。最初は、キーワードを抜き出すだけでもOKだ。

3つ目が、最も大切な部分だ。記事の内容について、教師としての自分の考えや具体策を記入する。余裕があれば、試験を想定した面接回答を考えることも実践してみよう。


 

合格読者のスクラップノートを公開!

教育新聞は昨年、一部地域で教員志望者を対象とした「教育時事スクラップコンテスト」を開催した。優れたノートを作成し、昨夏試験に合格したコンテストの受賞者に「スクラップノート活用法」を取材した。

質問内容

【1】スクラップする上で、工夫したことや意識したことは?
【2】試験対策としてスクラップが役立ったところは?
【3】教採に合格した今、教員生活にどのように役立てたいか?

▼新聞が届いた日に5分の作業 (男性 28歳)

合格自治体:宮城県、埼玉県、東京都
合格校種:中学(理科)、中高(生物)

k20170130_28

【1】3つのことを意識した。1つ目は継続すること。新聞が届いた日に、記事に目を通し、スクラップしないと、作業が後回しになり、新聞すら読まなくなることに気付いた。そこで、5分だけでも、新聞が届いた日に、記事を読み、スクラップするという習慣を身に付けた。

2つ目は情報量よりも読みやすさを重視した。1つの記事について掘り下げることも大切だが、とりあえずは1つの記事につき1つでも「新しい知識」「キーワード」「自分の思い」を書くようにした。図式化したり、色ペンや蛍光ペンを多用したり、読みやすさを意識した。

3つ目は連載記事を特にチェックするようにした。どの記事を読むか悩むことがあるが、連続掲載されるシリーズをチェックする習慣をつければ、ほとんど迷わずスクラップする記事が決まった。試験直前には、「教採対策」を読むだけでも十分理解が深まった。

【2】3つのポイントで役に立った。1つ目は表現力。自分の教育観や、理想などを表現するには、的確で短い単語で伝える必要がある。なんとなく、長くて抽象的な言葉で表現してしまうが、それではほとんど伝わらない。新聞を読むと、的確な表現がたくさんあり、それを自分の言葉として吸収できたことは、表現力の向上につながった。

2つ目は各自治体の最新情報に触れられたこと。日本全体のニュースだけでなく、各自治体について取り上げる記事も多かった。自分の受験する自治体が力を入れている取り組みを知れたのは良かった。

3つ目は人物試験の問題の対策に役立った。頻出問題だけでなく、良い回答、悪い回答について知ることができた。

【3】教育新聞を読むと、理想論だけでなく、テクニカルな方法についても取り上げられている。教員生活で課題に直面した際に、参考にしていきたい。

▼大学の先生にノートを添削してもらう (女性 22歳)

合格自治体:宮城県
合格校種:小学校

k20170130_22

【1】自分で書くだけではそのまとめ方がいいのか悪いのか、どうしたらもっといい文章になるのかが分からなかったので、大学の先生を頼り添削してもらった。たくさん直していただき、自分の考えもしっかり持つことができた。

また、1つの新聞に対して2つ程度の記事を選択するようにした。多くやりすぎると、やる気が失せてしまうので、少しずつやるようにした。話題の教育時事だけでなく、自分の好きな記事や、聞いたことのない内容の記事を選んで、知識を学ぼうと心掛けた。宮城県や教採対策の記事も必ず切り取って「番外編」として、ノートに貼った。

【2】『教育に関する最新のニュースを知ることができたこと』と『論作文を書く練習ができたこと』が役に立った。私はあまりニュースを見ないので、教育新聞を読んでいなかったらほとんど教育問題を知らないでいた。面接時に教育問題について聞かれたら答えられるか不安だった。不安を消すためにも読んでいてよかった。

記事に対して意見を書く練習もしていた。ぼんやりとしていた自分の考えが、書いていくうちに見えてきて、面接の時に特に役立った。大学の先生から添削してもらった文章を読み返して面接に備えた。

他にも、教採記事を読んで、面接に役立てた。もともと、学級経営に興味があったので、関連記事をよく読んで、自分が教員になった時もこんなことをしたいなと思いを巡らせたりもした。教員になったあとについても考えることができたので、自分の展望を持つのに役立った。

【3】教員生活で困った時に役立てたい。スクラップノートは、私自身が興味のある、さまざまな分野の記事をまとめているため、学級経営や困った時の対処法の参考にいつも手元に置いて対応したいと思う。

特集