【連載】面接試験の極意 第11回 教員としての力を示そう

元東京都公立中学校長 磯谷律子

 

○模擬授業・単元指導計画への対応1

模擬授業は、教員の本務である「授業」という実技を通して専門性を把握するために行われる。現行の学習指導要領では、教える内容は示してあるが、どのような方法で教えるかは示されていない。

思う存分、力を発揮できるチャンスと考えよう。

[実施方法]

自治体により千差万別。指導案作成は当日か、子供役はいるのか、授業は導入部分なのか、時間は何分なのか、授業実施か指導計画のみか——など、あらかじめ調査して確認しておく。

[指導技術と具体策]

1.導入=はじめの5分が勝負。子供が身を乗り出すような課題を提示する。導入の話題や発問が本時の目標に直結し、主体的な学習になることが必要。「この文章の中で、えっと思ったところはどこですか」「皆さんは同じ新聞記事を読んでいて、友人や家の人と全く別の考え方や見方が出てきた経験はありますか」「分かるけど言葉で表現できないイライラを感じたことはありますか」などと導入する。

2.板書・ノート=板書は授業の流れを示す。色チョークを活用し、吹き出しやイラストなどで重要な点を意識させる。文字は教科書体、書き順に注意。該当学年の既習漢字の確認。ノートに書かせるときは、位置と内容を指示。「いつものように、ねらいを左上に、皆の意見は自分の考えの下の枠内に書きましょう」などのように指示する。
※「いつものように」と話すことで、継続的指導を印象づけるとよい。

3.発問=考えさせたいことを焦点化させるために行う。ねらいを深め、発展させ、主体的な学習となる発問を意図する。「□□を読み、△△と○○のちがいについて、ワークシートの(1)の横の欄に書きましょう」などと指示する。

4.展開=子供の発言やつぶやきを拾い、協働的学習に進展させる。机間巡視中、「よい考えです。あとで発表してください」などと子供個々の考えをつなぐ。「Aさんが○○と発表してくれたので、それをヒントにBさんが△△と発展させてくれたのですね」などと展開させていく。

5.成果の確認=子供自身が考えを深めることができたと感じさせる工夫をする。「ワークシートに記入し、授業の初めと終わりで自分の考えがどのように変化したか、比べてみましょう」などと指示。ワークシートの必要性と妥当性を説明できるとよい。

6.発声=最後列の子供に聞こえる声量。間のとり方を工夫し、抑揚をつける。重要な点は、教科書や板書内容を指しながら、ゆっくり、はっきり言う。

7.教員の動き=一度は教卓から離れる。教室全体が見えるところで黒板の文字が隠れない位置。個別指導は子供の机右側に低い姿勢で。机間巡視は目的をはっきりさせる(指示通り進んでいるか、声かけの必要な子供はいるか、など)。

[その他]

授業の中で「5分間時間を取ります」と言ったあとは、「5分経ったとします」と言ってすぐに、次の内容に入る。「範読が終了したとします」など。

次回はラスト。指導案構成例、模擬授業後の主な質問と回答例について述べる。

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