指導要領改訂を「社説」で学ぼう

自分の言葉で語れるように 理解を深め、自ら考える

この2月に次期幼稚園教育要領、小学校学習指導要領、中学校学習指導要領の告示案が公表された。このあと年度内に告示される予定だ。学習指導要領は教育活動の根幹であり、教員を目指す者として、関連の勉強は欠かせない。内容を押さえるのはもちろん大切であるが、改訂の方向性などについては、自らの意見、考えを持つことが大事だ。改訂の動向に関する当紙の「社説」を読んで、内容に関する理解を深めるとともに、自らの言葉で改訂について述べられるようになろう。

筆記試験、論文、面接、いずれの対策においても学習指導要領の内容に関しては習熟が求められ、必須の知識である。教採試験対策としては、改訂の基本的な考え方から、各教科・領域の教育内容の主な改善事項などをきちんと捉えていくことが求められる。

これに加え、重要なのはその特長、ポイントなどを理解した上で、自分はどのように考えるか、それを自分の言葉で話せるようになるのが重要である。例えば、今回の改訂については、平成26年11月の中教審への諮問から、論点整理、審議のまとめ、答申、告示案の公表まで、その都度社説で取り上げて解説している。購読者は、当社サイトで閲覧できるので、読み返してみよう。

改訂に言及した、主な社説を取り上げる。

諮問については、26年12月1日付号で言及。また、12月4日付号、翌27年1月1日付号では、アクティブ・ラーニングを取り上げている。

27年8月には、中教審教育課程企画特別部会が「論点整理」を提示。これについては、9月3日付号で「開かれた教育課程」に焦点を当てている。12月3日付号では、学習指導要領の改訂に絡み、学習評価に関する課題を早期に検討し解決する必要を強調している。

28年1月1日付号で改訂の動向に言及。特に戦後からの改訂の流れに触れ、「これまでの改訂を振り返ってみると、それぞれの時代と社会の空気を反映した見直しであったことがうかがえる。ただ、平成元年~20年の改訂から分かることは、先を見通すことの難しさである。この間、学力観や学習指導観は、『自ら学び、自ら考える力』に象徴される児童生徒中心主義的な学力観から脱却し、教えることと学ぶことの調整へと向かっている」と分析。

同年4月25日付号では、論点整理に基づき、学校現場ではどのような準備、取り組みを進めなくてはならないか、主に学校経営の視点から言及している。続いて6月2日付号では、学校現場との関連から言及、「新課程への円滑な移行と定着を促すためには、いくつかの留意点があると考える」として、指摘を行っている。7月4日付号では、今次改訂のポイントである「総則」の重要性を解説している。

審議のまとめは、8月に報告。8月25日付号では、新聞各社の論調などを紹介しながら、審議のまとめの熟読を推奨。9月1日付号で、「各教科等の特質に応じた見方・考え方」に焦点を当てて解説、「教育課程の構造化を図る上で不可欠の作業であったと考えられ、これまでの改訂ではなしえなかった画期的な取り組みといえる」と評価している。さらに、9月22日付号では学習指導要領の改訂に向けては教育委員会の全面的なバックアップの必要性を、10月3日付号では不易と流行という視点で整理する重要性をそれぞれ指摘しており、改訂を語る側面として参考になる。

この改訂の流れの中では、「アクティブ・ラーニング」「社会に開かれて教育課程」「カリキュラム・マネジメント」「主体的・対話的で深い学び」「見方や考え方」「資質・能力の三つの柱」などのいわゆるキーワードが大きな注目を集めてきたが、10月24日付号では、これらの振り回されないように警鐘を鳴らし、そのためには「次期教育課程を確実に実現していくためには、今、何が課題で、どうクリアしていけばよいのか。これらを各学校、一人ひとりの教師がしっかりと考え、取り組むことが必要」としている。11月3日付号では、改訂に向け教育委員会では、早めに研修計画を構想することを提言している。

12月には、中教審が「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」と題して答申。12月15日付号では、諮問から答申までの間、「まず『アクティブ・ラーニング』に反応し、『新しい』『今さら』『現行の教育課程でも行っている』『新しい言葉に振り回されない』などの受け止めが交差するなか、校内研究のテーマに取り入れたり、実践的な研究・研修が行われたりなど、一つのブームのような活況を呈していた」などと現場を分析。その上で、「答申が求めるものは『改善』ではなく『改革・改変』であり、その文脈をしっかりと把握する。

資質・能力の育成を重視する『社会に開かれた教育課程』とはどのようなもので、どのように編成するのか。『主体的・対話的で深い学び』の実現とそれを可能にし教育の質を高める『カリキュラム・マネジメント』の両輪をいかに機能させるか。そのための家庭・地域とも協働する『チーム学校』づくり。部分ではなく全体、木ではなく森を見ることを意識して答申を読み、次期教育課程に備えてほしい」と訴えている。

29年1月1日付号では、答申からうかがえる新学習指導要領のポイント5点を解説するとともに、現行課程における優れた教育実践の吟味の重要性を強調している。

2月14日の学習指導要領告示案の提示に合わせて、2月20日付号では答申との差異などに触れながら課題に言及、学習指導要領は「『学びの地図』すなわち地図であるので、全体の姿、各部分の姿、位置や方向、関係等々がわかりやすく捉えやすくする必要がある」などとまとめている。

ここまで見てきたように、改訂の流れに合わせ、「社説」ではその都度論評を行っている。諮問文、まとめ、答申などを「社説」を参考に読み返してみるのを勧める。