最新の教育課題を知ろう 次期指導要領の課題は

自分なりに意見をもつ

今夏の教員採用試験に臨むに当たっては、最新の教育課題を知らなくてはならない。試験対策だけではなく、これから学校現場で働き、子供たちへの教育活動に携わる者としても必須である。次期学習指導要領と29年度の文教予算から教育課題を見てみよう。

この3月に次期幼稚園教育要領、小学校学習指導要領、中学校学習指導要領が告示された。本紙3月6日付で、その内容を押さえるのはもちろん、改訂の方向性などについては自らの意見と、考えをもつことの重要性を伝えた。そのためには、改訂の動向に関する当紙の「社説」を読むことも提唱し、これまでの関連の社説に触れた。

本紙では、学習指導要領の改訂について、告示案公表後から各教科・領域、総則、評価など、それぞれそのポイント、課題などを連載してきたのでぜひ読み返してもらい、理解を深めてほしい。

特に、4月6日付1~2面では、学習指導要領改訂の責任ある立場にある文科省教育課程課の合田哲雄課長と本紙論説委員・工藤文三氏の対談を収載。学習指導要領変遷の中での位置づけ、求められる教育指導観、課題などについて論じて合った。目を通しポイントをつかんでもらいたい。

さらにここでは、次期学習指導要領について25の課題を挙げ、「次期学習指導要領に関する25の課題」(PDF)にまとめた。それぞれについては、各自で検討し、自分なりの考えと意見をもつことを勧める。

文教予算から見た教育課題10
業務の適正化、いじめ対応など

文科省初中局の平成29年度予算主要事項から、新たな教育施策のポイントとしてチェックしておいたほうがよい10の事項(学習指導要領以外)を選んで示す。

主な内容を記すので、深く掘り下げる場合はそれぞれで調べてもらいたい。

▽「次世代の学校」創生のための指導体制強化=「社会に開かれた教育課程」を実現し、複雑・困難化する教育課題に対応する「次世代の学校」の創生に必要不可欠な教職員の配置充実や資質能力の向上を図る。さらに教員の資質の向上のため、新しい教育課題に対応した教員研修の充実と大学における教員養成の改革を実施。「教員の養成・採用・研修の一体的改革推進事業」「現職教員の新たな免許状取得や更新等」。

▽学校現場における業務の適正化=教員の担うべき業務に専念できる環境を確保し、長時間勤務という働き方を改善することで、子供と向き合う時間を確保するため、国・教育委員会(都道府県・市町村)・学校が有機的に連携し、一体的・総合的に業務改善を推進する取り組みを実施する。

▽道徳教育の充実=道徳教育に係る学習指導要領等の一部改正を行い、これまでの道徳の時間を教育課程上、「特別の教科 道徳」と新たに位置付けるとともに、いじめの問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものとする観点からの内容の改善、問題解決的な学習を取り入れるなどの指導方法の工夫を図ることなどを示した。道徳教育について「考える道徳」「議論する道徳」へと質的に転換を図る。

▽全国的な学力調査=義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立て、さらに、そのような取り組みを通じた教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立するため、全国的な学力調査を実施。

▽いじめ・不登校対応=いじめの未然防止、早期発見・早期対応、不登校への対応、また、貧困や虐待を背景とした生徒指導上の課題への対応等のため、従来の「いじめ対策等総合推進事業」を拡充し、地方公共団体等におけるいじめ問題への対応、教育相談体制の整備や教育委員会・学校、関係機関等の連携による不登校児童生徒へのきめ細かな支援体制を整備するとともに、夜間中学の設置促進等を図る。

▽幼児教育の振興=幼児期の教育が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることに鑑み、幼児教育無償化に向けた取り組みを段階的に進めるとともに、幼児教育の質の向上および環境整備を促進することにより幼児教育の振興を図る。

▽特別支援教育の推進=インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進について、障害のある児童生徒等の自立と社会参加の加速化に向けた取り組みの充実を図り、障害のある児童生徒等が十分な教育を受けられる環境を構築する。

▽学校健康教育の充実=児童生徒が生涯にわたって健康で安全に生活できるよう、がん教育、通学路の安全確保など学校における安全管理・安全教育、学校を核として家庭を巻き込んだ食育の推進を図る。

▽少子化に対応した活力ある学校づくり=現下の少子化・人口減少社会を踏まえ、地域の実情に応じて、少子化に対応した活力ある学校教育を推進するため、学校統合を契機とした魅力ある学校づくりや小規模校における教育環境の充実を図る。
▽初中教育段階におけるグローバル人材の育成=日本人としてのアイデンティティや日本の文化に対する深い理解を前提として、豊かな語学力・コミュニケーション能力、主体性・積極性、異文化理解の精神等を身に付け、さまざまな分野で活躍できる人材を育成。わが国の伝統や文化についての理解を深める取り組みを実施し、小・中・高校を通じた英語教育改革の推進、帰国・外国人児童生徒等への教育支援の推進、在外教育施設の教育環境の改善等の取り組みの充実を図る。