教育実習を実りあるものに 採用試験に生かそう

成功のポイントは

5~6月は教育実習が多い。実際に教壇に立ち児童生徒を教えるという教育実習は、教員養成課程の中でも最も重要で貴重なものである。より有意義なものとするためのポイントをみてみよう。

事前準備 ― 確認をしっかりと

教育実習は1カ月程度の短期間であるが、事前に準備することは結構多い。1年ほど前から実習校に内諾交渉に行ったり、多様な書類の提出や手続きがあったりする。手抜かりのないようにしたい。

事前には、実習校で打ち合わせがあり、ガイダンスを受ける。その際には、確認しなくてはならない事項が少なくない。「使用教科書」「実習中に教える単元・内容」「出退勤時間(出勤簿の扱い方)」「時間割」「実習中の主なスケジュール」「授業で使う教材(ドリルなど)」「服装」「実習中の学校行事」などは確実に確認する。

これに加え、「学校教育目標」「学校や校区の特徴」なども聞いておきたい。「校長、教頭(副校長)の名前」「担当する児童生徒の名前(学年・クラス)」「指導教員の名前」「担当する部活動」なども押さえる。特に、子供の名前を覚えることは、子供たちに近づき、子供たちを知る第一歩として重要だ。事前にクラス名簿をもらい、何という名前の子供がいるのかだけでも覚えておくといいだろう。

個人情報で持ち出せない場合は、学校に訪問した際に、できるだけ覚えよう。

実習中に教える単元を教えてもらい、事前に教材研究を行い、指導案を作成しておくことが望まれる。プリント類なども作成しておきたい。実習が始まれば、指導教員が点検して、アドバイスしてくれる。これらはパソコンで作成すると思われるが、現在はUSBなどのメモリーを持ち込み禁止の自治体・学校が多いので、どのように扱えばいいか、あらかじめ聞いておこう。

事前準備で重要なのは、「確認しないでわかったつもりにならない」ことである。例えば研究授業を行うとして、「いつ行うのか」「指導案を作成したら事前に見せるのか」「どのようなプリントを作ったらいいか」などは、きちんと質問して確認することが大事である。

実習中に行うこと ― 多種多様な業務あり

実習中には、具体的に何をどのようなことに行うのか。内容は、「授業の担当」「学級の担当」「部活動の担当」「清掃指導」「学校行事への参加」「教生日直」「授業見学・研究」「合評会」「実習記録への記入」などである。おそらく、想像していた以上に忙しく感じると思われる。

実習生1人につき1人の指導教員がつく。中堅以上の教師である場合が多い。教科指導の基礎的・基本的事項に関しての指導を受け、指導案の点検、授業後の反省点の指摘などをしてくれる。実習日誌も指導教員に提出する。聞きたいことやアドバイスが欲しければ、遠慮せずに聞いてよい。効果的な発問の仕方や、教材の活用法など、授業のテクニックとコツなどは十分身につけているので、これらを積極的に学びたい。

実習後 ― きちんと成果をまとめる

実習後は、実習記録を大学に提出する。それだけではなく、教採試験を目指し、自分なりに成果をきちんとまとめておく。教員採用試験では、実習の成果をレポートで提出させたり、面接でどのような実習をしたか詳しく聞かれたりする。実習中、どのようなことがあったのか、学んだことは何か、エピソードとともに記録しておきたい。採用試験で必ず役に立つ。

〈特に留意する点〉
▽時間、期限等を守る
社会人として、当たり前である。授業開始、休み時間終了の時刻を守るのは当然である。時間を守るだけではなく、例えば体調不良で休む場合、ぎりぎりではなくなるべく早めに連絡する。そうしないと周囲に迷惑がかかるからだ。学校行事で何か役割が与えられていたら、代行を立てなくてはならないから、少しでも早く連絡しなくてはならない。

提出物などの期限も必ず守ろう。指導案など指導教員に点検してもらう約束をしていたら、その時間にチェックする予定を立てているので、約束した日時に提出する。指導教員は、自分のクラスや教科指導の仕事もある。実習生の面倒を見ているだけではない。

▽言葉づかいに気をつける
学校現場では学生ではない。教師である。それにふさわしい、大人としてのていねいな言葉の使い方をする。ただし、難しい言葉を使えばいいというものではない。子供にも分かりやすい表現で話す。
また単に「がんばろう」「しっかりしよう」というのではなく、具体的にどうしたらよいかを示す。基本的に大きな声ではっきりと話そう。

子供と仲よくなってきても、必要以上になれなれしい言葉で話さない。「先生」は友達ではない。あだ名で呼んだり、名前を呼び捨てにしたりしない。命令口調も好ましくない。

▽子供たちと積極的に関わり、一歩近づく
実習中は、とにかく子供たちと積極的に関わり合うことがもっとも重要である。授業の構想を立てたり、日誌をつけるなど記録をとったりも重要だが、それよりも何よりも、子供との関わりを最優先しよう。とにかく、学校に子供たちがいる間は、できるだけ子供たちのそばにいよう。子供は毎日変化するものでもあり、同じ指導をしても、同じ態度が返ってくるとは限らない。そういうことを体験的に知っておきたい。

名前を早く覚え、自分のほうから子供たちにどんどん声をかけていこう。子供たちは基本的に実習の先生が好きである。休み時間になると、多くの子供たちが寄ってくるだろう。それができない子供もいるので、全員に目を配り、全員と交流しよう。

(参照PDF 教育実習の一日