面接に勝とう ここを再確認 コツをつかみ、あわてず、あせらず

連載「面接試験の極意」から

多くの自治体では、1次試験が終わり、2次試験直前、というところだろう。2次試験は面接が主であるケースが多い。7月まで連載した「面接試験の極意」(執筆者・磯谷律子/特別講座を含む)から、試験にすぐに役立つものをダイジェストした。ポイントを再確認し、回答や対応のコツをつかめば、実際の面接でもあわてずに、自分のペースで対応できるだろう。

面接官の気持ちを知る

面接官は、受験する自治体の教育委員会事務局と現役校長(副校長)が主である。そのため、受け答えの様子や回答、服装・姿勢などから、次の4点を見ている。

(1)教員として教壇に立つのにふさわしい資質のある人物か→心身共に健康であるのを示すために、自然な笑顔で、明るく元気にはっきりと話す。

(2)自分の勤務校(自治体)に教員として、すぐにでも来てほしい人物か→教育施策に賛同し、道徳教育は○○のように工夫していくなどと専門性の高さを述べる。法令順守に関しては、「多くの教員は職務を果たしている。しかし、一部の教員の不祥事のために他の教員もそのようであると思われることに心が痛む。私は教育公務員としてのプライドを持ち、子供にとって魅力的な大人であるために、法令を順守する」と答える。

(3)自分のことを二の次にしても、子供のために働ける人物か→「困難さを抱える子供がいても、未来への夢を持たせ、夢を実現させるために、粘り強く関わっていく」と、子供への愛情が深いのを示す。

(4)自ら進んで人と関わっていける人物か→「教育者として円滑に仕事をするためには、多くの人とコミュニケーションを図ることが大切と考えて、今までも行動してきた」と協調性が高いのを示す。

エントリーシート、面接票の再確認を

面接票に書く内容は、志望動機、自己PR、経歴・経験、その他が主である。書いた内容については、必ず質問されると考える。事前に内容を必ず再確認しよう。これまでの努力や工夫した点を具体的に述べる。経験から学んだこと、教育の中で生かす内容などを入れる。その回答例を次に示す。

(1)志望動機から=「なぜこの自治体を受験するのか」→「○県は都市機能と豊かな自然を併せ持つよい環境の県です。このような環境の中で、世界に活躍できる子供を育てることに尽力したいと思います。また、教育実習では、先生たちから厳しい中にも温かいご指導を受けることができました。そのため、ぜひ○県で先輩の先生方とともに、特に授業研究に力を入れていきたいと考えるようになりました」

▽経歴・経験から=「放課後学習ボランティアの経験を学校教育にどのように生かすか」→「基礎基本的内容が定着していない子供に教えたとき、スモールステップ方式を取り入れたら、一つ一つクリアしていくことに感動し、学習意欲が高まりました。この経験を生かし、『やった』『できた』と感じさせる授業をしたいと考えます」

※ここをチェック=努力したことや工夫した点を具体的に述べているか。経験から学んだことが入っているか。教育の中で生かす内容が入っているか。

教員としての力を示す場面指導

教員の本務である「授業」という実技を通して専門性を把握するために行う。思う存分、力を発揮できるチャンスと考えよう。

(1)導入=はじめの5分が勝負。子供が身を乗り出すような課題を提示する。導入の話題や発問が本時の目標に直結し、主体的な学習になることが必要。「この文章の中で、えっと思ったところはどこですか」「皆さんは同じ新聞記事を読んでいて、友人や家の人と全く別の考え方や見方が出てきた経験はありますか」などと導入する。

(2)板書・ノート=板書は授業の流れを示す。色チョークを活用し、吹き出しやイラストなどで重要な点を意識させる。文字は教科書体、書き順に注意。該当学年の既習漢字の確認。ノートに書かせるときは、位置と内容を指示。「いつものように、ねらいを左上に、皆の意見は自分の考えの下の枠内に書きましょう」などのように指示する。

(3)発問=考えさせたい事柄を焦点化させるために行う。ねらいを深め、発展させ、主体的な学習となる発問を意図する。「□□を読み、△△と○○の違いについて、ワークシートの(1)の横の欄に書きましょう」などと指示する。

(4)展開=子供の発言やつぶやきを拾い、協働的学習に進展させる。机間巡視中、「よい考えです。後で発表してください」などと子供個々の考えをつなぐ。「Aさんが○○と発表してくれたので、それをヒントにBさんが△△と発展させてくれたのですね」などと展開させる。

(5)成果の確認=子供自身が考えを深めることができたと感じさせる工夫をする。「ワークシートに記入し、授業の初めと終わりで自分の考えがどのように変化したか比べてみましょう」などと指示。ワークシートの必要性と妥当性を説明できるとよい。

※1発声=最後列の子供に聞こえる声量で。間のとり方を工夫し抑揚をつける。重要な点は、教科書や板書内容を指しながら、ゆっくり、はっきり言う。

※2動き=一度は教卓から離れる。教室全体が見えるところで黒板の文字が隠れない位置。個別指導は子供の机右側に低い姿勢で。机間巡視は目的をはっきりさせる(指示通り進んでいるか、声かけの必要な子供はいるか、など)。

集団討論は組織の一員として

討論という社会的場面(集団の場面)における話し合いを通して、教員としての資質をみる。

(1)主な評価観点

広い識見と専門性・対応力・社会人としての資質や人柄・心身の健康。主な評価の基準例を示す。

▽表現力=自分の考えを簡潔に整理して、相手に分かりやすく述べている。

▽説得力=広い視野から考え、豊かな語彙を用い、客観的で説得力がある。

▽調整力=議題を整理し、新たな視点を提示して効果的な発言をしている。

▽協調性=他の人の考えを傾聴しながら、質問に対して誠実に答えている。

(2)討論への取り組み方

▽テーマの意図を明確に把握分析し、自分の論点をしっかり持って述べる。

▽意見は簡潔・論理的・多面的に、そして具体例もあげながら述べる。1分以内の応答を求める自治体が多い。

▽互いの意見を尊重し、その意見を比較検討しながら、要所要所でまとめていく発言をする。さらに結論を導き出す方向で意見を述べる。

▽他の受験者の意見をしっかり聞きながら、よい意見だと思ったら評価し、自分の考えを付加して、話し合いが発展するように述べる。

▽どのような質問に対しても、常に冷静で誠実な受け答えをする。

▽自分の意見と異なったり、反論されたりしたとき、「私は○○と思うのですが、いかがでしょうか」とソフトな言い方をする。同じ意見のときには「Aさんのおっしゃるように、私も○○と思います」、追加するときは「Aさんのおっしゃることと似ているのですが、さらに□□を新たな提案として付け加えたいと思います」と言う。

※ポイント=討論の中で、①課題の焦点化②課題の深化③課題解決策への道筋(収束への転換)の流れを意識して、話し合いの方向づけを促していくことが重要。

(3)受験者からのよくある質問

質問1「討論を始めてくださいと言われたら、他の出方を伺わず、第一声を発した方がよいか」→最初に発言することや司会的な役割をすることでの加点はない。一度発言すると、その後もスムーズに発言できるよさはある。

質問2「本筋から外れそうになったときはどうすればよいか」→共感しながら修正する。例えば、「対象学年の捉え方について少し考えてみませんか」「○のためには○が重要なので○○という捉え方はどうですか」。

質問3「やってはいけないことは何か」→自説を曲げない、他の人の意見を真っ向から否定する、同じ発言を繰り返す、発言の場を独占する、など。興奮した態度や上から見下すようなものの言い方が最も嫌われる。

質問4「逆にやった方がよいことは何か」→他の受験者が話しているときは、傾聴の姿勢を示す(うなずく、相手の方に顔を向けるなど)とよい。