準備を本格的にスタート 9月から来夏までの行動計画 教育時事のチェックなど

多くの自治体では2次試験が終わり、今夏の教員採用試験は、ほぼ一段落したところ、といってよいだろう。来年に受験を予定している人は、そろそろ本格的な準備に取り掛からなくてはならない時期である。来夏の受験まで1年足らず、行動計画を見てみよう。

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○リクルートスーツの購入から

まず、受験用のリクルートスーツは、いま購入するとよいだろう。受験は夏なので、当然夏物のスーツで臨むことになる。直前に購入するよりも、いまがいい。

学生は日頃あまりスーツを着ないので、着慣れておく必要がある。夏物の最終バーゲンなど、廉価で購入できるタイミングでそろえておこう。

○自治体の情報を収集―志望先を絞る

受験する自治体を絞り込む時期である。教員採用試験は、全ての都道府県および政令指定都市で実施されており、住民票のある自治体でなくては受験できない、などという制約は一切ない。どの自治体も受験可能だ。

自分の出身地、大学のの所在地など、多様な要素を考えて、まずはいくつかの自治体に絞ろう。いまはまだ、一つに絞る必要はない。受験を考えている自治体のここ数年の教員採用情報、試験問題などを集め始めよう。

試験日が異なれば、複数の自治体を受験することも可能。しかし、隣接する自治体は試験日が同じであることも少なくない。したがって、複数県を受験する場合は、離れた自治体になるだろう。

そして、その自治体のの過去問題3年分程度を入手し、問題傾向の分析をすることが重要。試験が終わった自治体は、採用試験の筆記試験問題を公開する。ホームページにアップされたり、教育委員会まで足を運べば閲覧ができる。過去数年分の閲覧ができるところもある。コピーを必ず取ってくる。

併せて、その自治体の教育に関する基本的なデータも調べておきたい。小・中・高校の学校数、児童生徒数、教職員数のここ数年間の推移などである。教育に関する指針である教育基本振興計画は、どの自治体でも策定しなくてはならないので、これもピックアップする。自治体の目指す教育像を知ることは面接で役に立つ。

○大学のガイダンスで適切な情報を

大学によっては、10月、11月に3年生向けの教員採用試験ガイダンスが行われる。4年生時にも実施される。

教育実習、介護体験学習などのガイダンスと合わせて必ず出席し、適切な情報を得ておくこと。

教育実習に関しては、10月や翌年1月ごろに事前指導が行われる場合もある。事前指導を受けないと実習に行けないので、きちんと受けておかなくてはならない。多様な書類の提出や手続きが求められるので、しっかり確認し、手抜かりがないようにしたい。

○教育時事のチェックは過去3年分

教育時事のチェックは早めに始める。今年の4月ぐらいから始めていればオーケーであるが、そうでなければ、すぐに取り組み始める。

教育改革が進められていることなどから、最近の採用試験では、教育時事に関する比重が高まってきている。教育時事に関しては、早くから多様な情報を収集しておいたほうがよい。多忙化・働き方改革、学力問題、生徒指導(問題行動)、ICTなど、教育ニュースは分野、項目ごとに分類しておく。

新聞等の教育ニュースを切り抜いてノートに貼り付ける「教育時事ノート」の作成は有効のようだ。貼りつけた記事の横などに、このニュースに対して自分はどのように考えるかを記していく。知識として覚えるだけではなく、それぞれの事項に関して「自分はこう考える」という意見をまとめるくせをつける。これを試験直前まで行う。論作文や面接にも役立つ。

教育時事は、最低過去3年分ぐらいはさかのぼることが求められる。

○筆記対策はステップアップで

教職・一般・専門教養など筆記試験対策は、すでにスタートを切っていることが望ましい。

3年生の夏くらいまでを「基礎力の養成」、夏から3年生いっぱいを「実力の養成」、4年生の4月から実際の1次試験までを「総まとめ」などと3段階くらいに分けてステップアップを目指したい。

勉強に当たっては、教育六法、学習指導要領、各種答申など必要な資料、参考書などをそろえなくてはならない。手始めに中学・高校の参考書で勉強をしよう。

○教育施策―教員志望者の基本として

小・中学校の次期学習指導要領が、この3月に告示されたばかりである。この本文はもちろん、改訂に関する中教審「審議のまとめ」「答申」も入手し、内容を確認して次期学習指導要領の目指す教育、関連のキーワードなどを頭に入れる。

当然であるが、日本の教育は国の教育施策によって動いている。教採試験対策としてだけではなく、教員の素養として、主な教育施策は押さえておかなくてはならない。余裕があれば、戦後の主要な教育施策を調べて、教育行政の流れを把握しておくと役に立つかもしれない。

○論作文は書き慣れるところから

論作文については、書き慣れる必要があるので、今時分から月に2テーマ程度は書く練習をしていきたい。その前提としては、前述のように教育時事などについて日頃から敏感に対応しておくことが求められる。年が明け試験が近付いたら、志望自治体の執筆制限時間や制限字数に合わせて書く練習に取り組む。

面接は、同じ教員志望者とグループを組んで練習を始める。面接官と受験者を演じて、個人面接、集団面接、集団討議の練習をすればよい。面接マナーは、一朝一夕で身に付くものではないから、あいさつの仕方、敬語の使い方などは、日頃から意識して気を付ける。

論作文や面接は、大学の教官に協力してもらおう。学校現場出身の教官(小・中学校の校長経験者など)は、実際に教員採用試験で面接官を経験した人も多いので、面接や論文の指導を依頼しよう。かなり実践的な指導をしてもらえるだろう。

水泳など実技は、苦手なものがあったら、いまのうちにマスターする。4年生になると実習などで多忙になるので、その前に克服しておきたい。

○ラストスパートは4月から

来年4月からは、本番前のラストスパートをかけ、教育実習があれば、まず全力で取り組む。実習における経験は、学生にとっては数少ない現場体験であり、面接で問われることが多いので、何を学んだかをまとめておく。

4~5月には、各自治体から募集要項の配布が開始されるので、確実に入手し、しっかりと準備を整える。教職・一般・専門教養の筆記試験対策は、これまで勉強してきたことを繰り返し学習して不得意をなくすなど総まとめのときだ。教育時事のチェックは、直前まで忘れないようにしよう。また、論作文、面接は、より実践的な練習に取り組む時期である。

試験対策で大切なのは、健康管理である。風邪などを引いて寝込んでしまうと、それだけ準備が遅れる。試験直前ももちろんであるが、いまから健康に留意して、試験対策に取り組みたいものである。