ここがポイント 合格する模擬授業(1) 模擬授業の心得 その1

eye-catch_1024-768_kenmochi

帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉


全国の自治体では、教員採用選考の2次試験として模擬授業の実施、単元指導計画の作成、指導案の作成と同時に模擬授業の実施、テーマに合わせた模擬授業、学習指導要領の指導事項から模擬授業を考える、などが課されている。自治体によっては多少の違いはあるものの、基本的には前年度を踏襲しているところが多い。

現在、4月の教員としての着任と同時に、小・中学校では学級担任として着任する場合が少なくない。必然的に学級経営、道徳、総合的な学習の時間、特別活動をしなければならない。

したがって、自己の専門教科だけでなく、学級担任としての力量を発揮する機会があり、4月の初旬から学級開き、授業開きを円滑にする力量が身に付いていることが求められている。教員採用選考でも、即戦力の有無が試される。

すなわち、「4月から教壇に立ってさまざまな運営ができる教員を期待している」のである。

この時期、大学3年生にとっては、秋の教育実習が控えている。教育実習では、少なからず授業を任せられる機会があり、半日実習、1日実習、研究授業を経験する。

また当初は各教員の授業参観があり、各教科の授業展開の在り方、発問の仕方、板書の仕方、資料の活用の仕方、ワークシートの作り方などを学ぶ。この機会は、教員採用選考の模擬授業の在り方を模索するのに絶好の機会となる。それは、よりよい授業を構築するポイントが埋め尽くされているからだ。教育実習においては、1日の実習記録を書く。その際、時間割に沿って書く場合が少なくない。そのときに必要なのは、自己の授業を見る目である。いわゆる授業観察である。

それでは、授業観察はどのように行えばよいのか。

観点としては、(1)目標提示が的確か(2)前時の振り返りが的確か(3)学習過程は的確か(4)資料は的確か(5)ワークシートは児童の実態に合っているか(6)評価は的確か(7)机間の指導の在り方は的確か――などを明確にして、授業展開のよさと課題を記録するのである。この継続が、自己の授業を見る目を確かにしていく。

模擬授業は、こうした教育実習での成果としての表れである。3週間あるいは4週間にわたる児童生徒との関わりが自己を高め、自己を磨くことになる。

最初から「授業のうまい人はいない」と言われている。それは、児童理解、教材研究があってこそ授業に生きるからである。教員採用選考の模擬授業では、どのような出題であっても臨機応変に対応できる力が求められる。その重要な位置付けとなるのが教育実習であることを認識しておこう。