ここがポイント 合格する模擬授業(2)模擬授業の心得 その2

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帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉


「あの先生はどうして授業が上手なのだろうか」「子供たちを引きつけるコツはどうすれば身に付くのだろうか」「板書を時間内に書ける力量はどのように身に付けたのだろうか」などと授業観察の際に気付くことが少なくない。

教育実習、学校ボランティアで学校現場を体験する際、たいへん勉強になり、いろいろと気付かせられる。担任教師の授業や生徒指導を充実させていくコツ、体験学習等における引率の在り方、人間関係の調整、運動会などの学校行事での円滑な動き――実習生として、とても驚かされただろう。

特別支援の必要な児童生徒との対話を経験して、どのような状況の中で学びが成立するのか、個別指導の必要性、一人一人に適した指導の在り方などを実体験する場もきっとあったと思われる。

これらの経験、体験が模擬授業、場面指導、集団討論、集団面接なども生きてくる。そのときの対応一つ一つが、模擬授業の実際に生かされる内容であるばかりか、現場の対応への理解につながってくる。

「授業が上手な先生」について言及する。

どうしてそのような授業ができるのか。ポイントは、3つ――。

1つ目は、一単位時間45分、50分の構想が優れているから。「何を勉強するか」ではなく「何を身に付けさせるか」を強調した授業になっている。目標達成に向けてどのようなアプローチをすれば授業が成立するかを吟味して取り組んでいる姿である。

2つ目は、授業のストーリーが描けていること。一単位時間の中での山場を設定して、児童生徒にどのような働きかけをすればよいかが明確になっている。いわゆる「つまずき」を想定してのストーリーをも描いているのである。構想力をいかに発揮するかが重要になってくる。

3つ目は、一単位時間に合わせた構造的な板書、それを書ける能力である。授業が終わった後、黒板を見れば一単位時間の振り返りがひと目で分かるような板書、ノート整理がしやすい板書、このような心掛けが求められる。この板書の構想が最終的な決め手となってくるのである。

筆者は、学校参観をさせていただく機会が少なくない。3分程度授業を見れば、教師の力量が分かる。

こうした3点を必ず読み解くようにしているからである。

教育採用選考では、授業の成立を予測した模擬授業でなければならない。

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