ここがポイント 合格する模擬授業(3)模擬授業の心得 その3

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帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉


教員採用選考の2次試験で「よい授業とはどのような授業だと考えているか」の問いに、「楽しい授業」と答えて良い結果が得られなかった例は少なくない。「模擬授業の心得 その2」では、授業観察から担任の教師力を読み解くヒントを提示した。

学生は、さまざまな機会で授業参観をする機会がある。最初はどう観察してよいか分からない状態から、少しずつ何を観察すればよいか、教師の指示・助言・発問の仕方で児童生徒の変容がかなり違うことにも気付くようになっていく。また、学びに集中していない児童生徒への対応、学習規律の在り方などに理解度を高めていくようになってくる。この連続と継続が授業を見る目を養っていくのである。

観察する目が養われると、自己の授業レベルが高まっていくのである。このような経験を模擬授業に生かすのである。

半日実習、1日実習などの中で、1日のスタートでのワンポイントアドバイスの実施、昨日の出来事から生徒指導に生かす手立て、その日のトラブルにどう対応するかなどを実体験して、5分、10分間で課題に対して方向性を導く実践も経験する。ある程度の方向性を示すためには、日頃からいろいろな情報を頭の中で整理をして、学年段階でどのような対応をすればよいかを十分に練る必要がある。そこで問われるのが、人権感覚と言語感覚である。教師の力量として問われるのは、この2点である。

模擬授業で発する言葉掛けの在り方、言葉遣い、言葉選びが問われるようになる。日々の話し言葉が模擬授業でも出てしまう。口癖と合わせて自分の話し方にも注意をしておくとよい。

模擬授業では、導入を実施する場合が多い。それも一単位時間の見通しの上に立った導入である。ほとんど誰もが同じような展開をしているケースが少なくない。「自分は」「教師として」の視点が少ないようにも感じる。それは、授業者が目の前のことだけで精一杯の姿を現しているといっても過言ではない。

今回までに、「模擬授業の心得」として、これからの教育実習やさまざまな授業において自己を高める場が準備されている点を指摘してきた。その機会を最大限活用して、来年の8月の教採試験の模擬授業に生かす覚悟を鮮明にしてもらいたい。明日のことで精一杯、誰もが教育実習で感じる。それでも、授業観察する機会は1日中あり、最大の学びの場である。私は校長時代、教育実習生も初任者研修に参加させて、学校の中での学びの文化を中心に授業の在り方や授業の成立、学習活動の成立について説いていた。そのヒントをぜひ自分の目でひもといてほしい。

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