ここがポイント 合格する模擬授業(5)試験官はここを見る その2

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帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉


「授業に自信はなく、話し言葉に不安」「自分の指導にあたっての指示、発問に不安」「自分の話し言葉で大丈夫だろうか」「適切な言葉で授業ができるだろうか」「何も見ないで授業をしたことがない」などと、不安と負担を感じる受験生は少なくない。「試験官はここを見るその2」では、どのようなことを身に付けておけば自信のある態度で模擬授業に臨めるか、提案しよう。

模擬授業において、試験官は導入展開の約10分間に、教師としての話し言葉を使用することができるか、児童生徒にとって安心して学べる雰囲気があるか、を見抜いて適性を判断しなくてはならない。

教師としての人権感覚と言語感覚が身に付いていることが、最低限求められる条件となる。

(1)教師としての人権感覚

ここでいう人権感覚とは、採用選考の時期までにその人が身に付けている人権感覚そのもので、話し言葉から判断をされる。個別の人権課題をどう理解しているか問われる。個別の人権課題として女性、子供、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人、HIV感染者、刑を終えて出所した人、その他課題を含む。さらに各自治体特有の人権課題もある。

女性の人権課題を例にあげる。学校教育では男女平等教育に関する内容として捉えることができる。「男のくせに」「女のくせに」「男だから」「女だから」という偏見が漂う言葉があるかどうか、である。それぞれの人権課題に適応した話し言葉を使用しているかを見極めることが試験官としての力量である。

(2)教師としての言語感覚

ここでの言語感覚とは、正誤、適否、美醜感覚などである。「発言が正しいか、間違っているか」「発言がふさわしいか、ふさわしくないか」「発言が輝いているか、ひどいか(不適切か)」を指している。試験官は、その適性を見極める。

「模擬授業での指示はふさわしいか」「発言は間違いないか」などを試験官は即座に判断する。模擬授業の時間内で1つでも気がかりな発言があると、「心配だ」「不安だ」「この人物にクラスを任せて大丈夫か」と思われてしまう。

教師としての人権感覚と言語感覚は、教師のバランス感覚とも言える。この二点を適切に備えていれば、自信を持って模擬授業をすることができるだろう。試験官の評価も必然的に高くなる。

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