神谷正孝の5分でわかる教育時事2017-2018(6) 新学習指導要領

eye-catch_1024-768_kamiya2017kei塾主任講師 神谷正孝

教育内容の主な改善事項

皆さん、こんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷正孝です。第6回目の今回は、今夏の試験に向けて重要事項である新学習指導要領の内容について改善事項を解説します。

文部科学省ウェブサイトに掲載されている「幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント」によれば、新学習指導要領における「教育内容の主な改善事項」として、以下の6点が挙げられています。

(1)言語能力の確実な育成(2)理数教育の充実(3)伝統や文化に関する教育の充実(4)道徳教育の充実(5)体験活動の充実(6)外国語教育の充実

(平成29年3月文部科学省通知(※)では、「情報活用能力の育成」が示され、「道徳教育の充実」は別項目として記載)

ここに挙げた6点は、前回の改訂の際のポイントとも重なります。今回の改訂では、それぞれについて内容が具体化されたり、深められたりしています。改訂の背景事項と併せて理解しておきましょう。

□言語能力の確実な育成

前回改訂時は、各教科における「言語活動の充実」が挙げられていました。今回は言語活動で育成すべき言語能力を教科等の枠を超えた「学習の基盤となる能力」と位置付けた上で、以下のことを示しています。「発達の段階に応じた、語彙の確実な習得、意見と根拠、具体と抽象を押さえて考えるなど情報を正確に理解し適切に表現する力の育成」「学習の基盤としての各教科等における言語活動(実験リポートの作成、立場や根拠を明確にして議論することなど)の充実」です。日本の子供たちが弱いとされている、根拠を明確にして自分の意見発表を行うことが示されました。言語能力の基盤としての語彙力の向上についても確認しておきましょう。

□理数教育の充実

前回改訂時に理数科目の充実方策として内容・時数を増加させることが示されました。今回の改訂においても維持されています。また、「必要なデータを収集・分析し、その傾向を踏まえて課題を解決するための統計教育の充実」が示されたことに注意しておきましょう。

□伝統や文化に関する教育の充実・道徳教育の充実・体験活動の充実

前回改訂と同様に今回も重視されています。道徳については平成30年度から先行して特別の教科道徳が実施されます。

□外国語教育の充実

今回の具体的な改善事項として重要なトピックの一つが「外国語」です。小学校高学年で「外国語」が導入されます。これに伴い、中学年で「外国語活動」が実施されることになりました。小学校「外国語」「外国語活動」については一部目標の表現が共通しています。中学年での体験を軸にした「聞く」「話す」活動を土台に、高学年で「読む」「書く」もバランスよく取り扱っていくことが求められます。なお、「国語教育との連携を図り日本語の特徴や言語の豊かさに気付く指導の充実」も併せて記載されています。

◇ ◇ ◇

※「学校教育法施行規則の一部を改正する省令の制定並びに幼稚園教育要領の全部を改正する告示、小学校学習指導要領の全部を改正する告示及び中学校学習指導要領の全部を改正する告示等の公示について(通知)」

【例題】
例題1 次に示すのは小学校・中学校の新学習指導要領総則(平成29年改訂)の一部である。( ① )~( ④ )に入る語を下の語群ア~クから選び,記号で答えなさい。なお、[  ]内は中学校の記述である。

〇基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力,判断力,( ① )力等を育むとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かし多様な人々との( ② )を促す教育の充実に努めること。その際,児童の発達の段階を考慮して,児童の( ③ )など,学習の基盤をつくる活動を充実するとともに,家庭との連携を図りながら,児童の学習習慣が確立するよう配慮すること。

〇児童[生徒]が生命の有限性や自然の大切さ,主体的に挑戦してみることや多様な他者と( ③ )することの重要性などを実感しながら理解することができるよう,各教科等の特質に応じた( ④ )を重視し,家庭や地域社会と連携しつつ体系的・継続的に実施できるよう工夫すること。

ア 体験学習 イ 問題解決学習  ウ 表現  エ 言語活動  オ 体験活動
カ 課題探究活動  キ 語彙  ク 言語能力  ケ 協同  コ 協働

例題1 解答 ①ウ ②コ ③エ ④ア
【解説】 総則からの抜粋である。重要なキーワードを確認しておこう。

例題2 平成29年3月文部科学省通知「学校教育法施行規則の一部を改正する省令の制定並びに幼稚園教育要領の全部を改正する告示,小学校学習指導要領の全部を改正する告示及び中学校学習指導要領の全部を改正する告示等の公示について(通知)」で示された「小・中学校の教育内容の主な改善事項」の内容として適切でないものを選びなさい。

1.情報活用能力の育成
2.言語能力の育成
3.豊かな心、健やかな体の育成
4.体験活動の充実
5.外国語活動の充実

例第2 解答 3

【解説】ウェブサイトで記載された「改訂のポイント」の資料では、「情報活用能力」は示されていないが、平成29年3月文部科学省通知「学校教育法施行規則の一部を改正する省令の制定並びに幼稚園教育要領の全部を改正する告示,小学校学習指導要領の全部を改正する告示及び中学校学習指導要領の全部を改正する告示等の公示について(通知)」では、「小・中学校の教育内容の主な改善事項」の内容の中で、言語能力と理数教育の充実の間に記載されている。

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