ここがポイント 合格する模擬授業(14)「目標の明確化」をしっかりと

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帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉


教員採用選考における模擬授業は、教師としての力量としての授業力を問う目的で実施されている。教師としての資質を見るのである。

「授業は3分見れば分かる」「教師の話し方で授業の見通しが分かる」「板書を見れば丁寧さがわかる」「授業は教材研究をしているかどうかが分かる」とも言われている。

その意味で限られた授業の導入段階を見れば、資質が分かるのである。ここでは、「目標の明確化」について触れる。各教委の方向性として、○○スタンダードとして授業の在り方を指示しており、各学校の学習スタンダードとして取り組んでいる例が多くなっている。そこで多いのが「本時の目標を必ず板書する」である。

「目標の明確化はどのようにすればよいのか」について解説する。

(1)目標提示の在り方

一単位時間の最初に本時の目標を児童生徒に必ず提示する。そのタイミングをどのようにすればよいか。授業の冒頭にいきなり「本時の目標は○○です、一緒に読みましょう」では、どうしてこの目標になったのかが分からない。その道筋を示すことで目標が生きてくる。少なくとも、前時の振り返りをした後で、連続的に示すことが目標の明確化につながる。

(2)何を振り返るか

関連する前単元、前時を振り返るのである。ここでの振り返りとは、前時で学んだことのいわゆるまとめの段階のものを示すことである。例題を示したり、内容を対話で確認したりすることである。どのような振り返りが望ましいか(次回以降で取り扱う)が、授業のポイントとなる。

(3)目標提示の示し方

目標提示を児童生徒にする場合、(1)チョークで板書をし終えてから児童生徒に読ませる(2)板書をしながら目標提示を教師が読みつつ、視写させる(3)板書を最後まで書いている姿を見てから、ノートに視写させる(4)板書をした後で黄色チョークで囲みを入れてから視写させ、一斉読みをする――などの方法がある。教科により、どう振り返るかの内容を加味してその具体策を考えるとよい。特に、板書に時間のかかる受験生はカードを事前に準備できれば掲示型でも支障はない。

授業の導入段階での目標の明確化は、模擬授業の最大のポイントとなるので、丁寧に取り扱う。教材研究がきちんとなされ、それを基に提示している内容であるかを試験官は判断する。

目標の明確化は、終末段階での指導と目標と評価の一体化として大きく関連する。

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