ここがポイント 合格する模擬授業(15)振り返りをどのように行うか―その1

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帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉


模擬授業の導入段階では、目標提示に向けて前時の振り返りをすると、目標を明確化するのに役立つ。振り返りとはどのようなことか、誤解している現場や学生が多いように思われる。特に配慮すべきことを列記したい。

(1)前時の振り返りの基本を身に付ける

授業者が、「昨日の学習は何ですか」「昨日やったことで覚えていることはどんなことですか」「この計算の答えはいくつですか」などの発問をすることが少なくない。これを、「昨日の学習でまとめた小見出しはどのようなものだったか、隣の人と話してください」「昨日実施した理科の実験の結果を、ワークシートを見ながらグループで確認してください」「この計算の仕方をどのように導き出したか、隣の人と意見交換してください」のような手立てに転換するとよい。

大切なことは、記憶をたどり、覚えている人だけに委ねる振り返りをしないということだ。対話、グループ活動などで自分の言葉で説明して、自己の理解度を確かめさせることが重要である。模擬授業では、振り返りの時間を余裕持って取ることはできない。1~2分の振り返りでも、それを契機にして目標提示に結び付けたい。

(2)振り返りを成立させるために

模擬授業で実際に振り返りをする際は、対話型が少なくない。隣の人や前後の人などと二人で交互に確かめ合うことでより確かな前時の状況を把握できる。対話型を成立させるためには、隣の人との対話が成立しなければならない。能力差があっても、「うなずき」「同じ」「違う」などで対話が成立する。

模擬授業の際は、受験者が児童生徒役として参加している。ある程度の理解度があり、スムースに授業は流れるはずである。安心して模擬授業に取り組めるはずだ。

秋田県の学力が高い状況は全国的に知らされている。その要因は、文科省の学力調査の結果を受けて課題を中心とした秋田版学力調査の成果、授業の振り返りの徹底、一単位時間の板書の実施と言われている。特に、学力の高い児童生徒のための振り返りにはなっていないことを認識しておきたい。したがって、丁寧な前時の振り返りで、本時の目標達成に向けたアプローチがより的確になるようにしなければならない。それが、振り返りの効果である。

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