教育実習を成功させよう 試験対策で多くの示唆

周到な事前準備心掛ける

実習校との打ち合わせは、順調に進んでいるだろうか。5~6月は教育実習のシーズンである。学校教育現場を実地で体験することは、教員採用試験に臨む上でも多くの貴重な知識、技能、示唆を与えてくれるものであり、滞りなく準備をしておきたい。児童生徒との触れ合いから、教職のやりがいも感じ取ってもらいたい。教育実習で成果をあげるためのポイントを見てみよう。

○事前打ち合わせでは積極的に質問を

教育実習には、きちんとした準備が必要だ。実習校との事前の打ち合わせでは、学校側からの説明を一方的に聞くのではなく、疑問やわからないこと、聞いておきたいことは全て聞いておく。

教育実習は教員養成課程のハイライトで、採用試験対策としても貴重な示唆が得られる体験の場である。多様な書類の提出や手続きがあったりするので、事前準備は手抜かりのないようにしたい。そのためには適切な準備が求められるので、事前打ち合わせをしっかりと行う。

事前に確認しておいたほうがよい主な事項は次の通り。これらのことについて説明がなかったら、こちらから積極的に質問して確認しておく。

▽担当するクラスの学年、学級、その名簿(児童生徒の名前)▽指導教官の名前、教科▽校長、副校長、教頭、同学年の教師の名前▽実習中に使用する教科書、および教える単元・内容▽授業で使用する教材(ドリル、資料集など)▽実習中の時間割▽実習中の学校行事▽出勤簿の扱い方、出退勤時間▽担当する部活動▽学校教育目標▽学校および校区の特徴▽服装(スーツ、ジャージ)▽会議の種類(出席の有無)▽昼食(給食、または弁当持参)

〇服装を整え、あいさつをしっかりと

実習の受け入れ校に事前の打ち合わせなどで訪問する際の服装は、スーツが基本である。実習中も、体育の授業や何らかの作業以外は、スーツをきちんと着ることが、社会人としてのマナー。小学校低学年などで「ジャージーを着用」と言われたときには、学校の指示に従う。

爪は切りそろえ、茶髪なら黒い髪に戻す。パーマも避けたい。男性はひげをそる。女性は、長い髪は束ね、ナチュラルに、品のよい化粧を心がける。いわゆるリクルート風が基準だ。

あいさつも大事。学校に訪問した際は、教員や学校関係者、児童生徒たちに、大きな声で明るくあいさつをする。

実習中は紹介されることが多いから、自己紹介のいくつかのパターンを考えておくとよい。
「おはようございます。○○大学の○○です。これから○週間、教師になるための勉強をさせていただきます。よろしくお願いいたします」

これが基本であるが状況に合わせて、趣味、特技、エピソードを加えてもよい。もちろん、「おはようございます」「失礼いたします」など校内のあいさつは、常に忘れないように。

事前打ち合わせで、学校側にゆとりがあるようだったら校内を案内してもらい、学内の様子も把握しておきたい。担任するクラスが決まっていたら児童生徒名簿を事前にもらい、読み方と名前を覚えておく。これは実際に教壇に立った場合に有効だ。打ち合わせの帰りには、校区を歩いて特徴を知るようにする。もちろん、最短の交通アクセスも確認しておく。

○教科書、指導要領を購入する

指導する教科の単元や内容はあらかじめ教えてもらえる。教えてもらったら、教材研究を必ずしっかりと行い、指導案を作成しておく。できればプリント類なども試作してみるといいだろう。実習が始まったら、指導教官に点検してもらい指導を受けよう。

通常、指導案などはパソコンで作成することが多いが、いまは学校へのメモリー媒体、ノートパソコンなどの持ち込みが禁止されている学校が多いので、どのように扱ったらよいか、これも事前に確認しておきたい。学校のパソコンもどの程度使用させてもらえるのか確かめておくことが必要だ。

学習指導要領と教科書は、絶対に事前に用意する。使用している教科書を聞いて自分で購入したほうがよい。どこで買えるか、購入に関しては、教科書供給協会のサイトで案内されている。【関連サイトはこちら

学習指導要領も数百円で購入できる。小学校では移行措置も始まっているので、関連の情報は文科省サイトなどから入手しておく。

○ベテランの指導教員に積極的に学ぼう

実習の具体的な主な内容は、次の通り。

▽授業の担当▽学級の担当▽部活動の担当▽清掃指導▽学校行事への参加▽教生日直▽授業見学・研究▽合評会▽実習記録への記入

結構盛りだくさんである。これ以外にも目の前に児童生徒がいるので、休み時間は一緒に遊ぶなどできるだけコミュニケーションをとりたい。児童生徒をしっかりと見ることを心掛けよう。同じ指導をしても、日によって、児童生徒によって反応が全然違ったりする。机上では知りえなかったことが、たくさん学べるはずだ。

とにかく、実習期間中は想像以上に忙しいと思っていたほうがよい。(表「主な一日の流れ」参照)。

また、実習生1人につき1人の指導教員が必ずつく、というのが教育実習である。実習中はほとんどこの指導教員と過ごすといってよい。もちろん実習生を評価する役割があるのだが、なるべくなら親しくして、いろいろ教えてもらおう。たいていの場合、中堅以上の教師なので、多様な経験を積んでいるはずだ。経験を聞きだすなどして、指導をしてもらういとよいだろう。

指導教員は、教科指導の基本的事項の指導、指導案の点検、授業後のアドバイスなど実習生の指導を行う。指導を受けるに当たり、「報告・連絡・相談」を欠かさないようにしよう。

実習生への指導は、教員としての本来の職に加えてやってくれているもの。学校教育の将来を担う教員の育成のためにと、貴重な時間を割いて受け入れてくれていることを自覚し、感謝の気持ちをもって接するべきである。

親しくなれれば、実習後も論作文の添削、面接の練習など面倒を見てくれるケースもある。人間関係をしっかり作ろう。

○児童生徒と話そう、遊ぼう、触れ合おう

現場の指導教員経験者から聞いたアドバイスをランダムに紹介するので、参考にしてもらいたい。

▽社会人としてのマナーを忘れないこと▽時間厳守。絶対に時間に遅れない。遅刻、早退をしない。就職活動に伴う欠席もしない(許されていない)▽自動車、オートバイでの通勤はしない▽実習校の事柄については、他言しない。児童生徒の個人的事情なども他言しない。守秘義務がある▽できるだけ大きな声を出して、はっきりと話す▽授業中はきびきびとした態度で、指示をはっきりと出す▽授業はうまくできなくて当たり前。多少失敗してもあわてないこと。落ち込まないこと▽教師には、授業以外にも校務分掌など多くの仕事があることを理解する▽児童生徒をよく観察して、記録をとる▽できるだけ、児童生徒のそばにいよう。話そう。遊ぼう▽学校にいる時間に、翌日の教材作りや指導案の作成をやってしまおう▽指導教員に厳しいことを言われても落ち込まない。どんどん質問しよう▽実習控室ばかりにいないで、教師や児童生徒とどんどんコミュニケーションをとるように

○感謝の気持ちを忘れない

教育実習は、基本的には自分の単位をとるために行うものでもあるので、「実習をさせていただいている」という謙虚さを常に忘れないように。そして、実習が終了したら感謝の気持ちを校長や指導教員をはじめ関わってくれた全ての教師に、また、児童生徒にも伝えてほしい。

小学校であれば、児童が「お別れ会」を開いてくれ、逆に感謝の言葉や励ましの言葉を掛けてくれ、強く感動することもある。心から感謝したいものだ。

できれば、実習終了後、教員採用試験に合格後、初任者として赴任後、などの機会を捉えて、お礼の手紙を出したい。このような心遣いができれば、自分の学校の教師に相談できないことが起きたとき、実習中の指導教官が相談に乗ってくれるだろう。

実習が終わったら、なるべく早めに実習の記録をまとめること。多くの大学では、実習後のリポート提出を義務づけているので、これも早めに作成することだ。それ以外にも、気づいたこと、役立ったことは全てまとめておこう。教員採用試験で、必ず役に立つからである。