ここがポイント 合格する模擬授業(18)場面指導の工夫

eye-catch_1024-768_kenmochi

帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉


模擬授業を、ある場面に応じて展開させる自治体がある。事前に場面を数項目示され、当日は5分程度の授業を実施する、あるいは、当日に示された場面に合わせて構想時間を設定して授業を実施するといったケースがある。最終的には、臨機応変に場面指導に対応できたかが評価につながってくる。

(1)場面の模擬授業の評価をどうしているのか

場面指導型の模擬授業では▽ポイントをどのように押さえているか▽学年指定をどう意識して取り組んでいるか▽自分なりのストーリーを描いて児童生徒の立場を尊重しているか▽取り上げた例は確固たる内容があるか――を十分に検討しているかどうか、それが結果に表れているかを重要視していることが多い。

具体的な例を見てみよう。「学級の中での言葉遣いが適切でないことから、児童相互のトラブルが解消できない場面」が示され、6分で模擬授業を行うケースとする。

読者のイメージはどうだろう。新聞の投書欄を想起してみる。言葉によって辛い経験をした、だから自分は荒れた言葉を使わない、などの投書があったとして、第三者の同世代がどんな思いをしているか、どう言葉と関わっているのかの例として提示する。「荒れた言葉を使うことは自分自身の表現の仕方を知らないことの表れ」「荒れた言葉は誰一人として気持ちよく過ごすことにならない」などを示していくとよい。

(2)人間関係づくりの課題に意識を持っておく

場面指導では、児童生徒相互の人間関係の構築方法を扱うケースが少なくない。「いつも一人でいて、なかなかコミュニケーションが図れない児童への対応」が示されたとする。どんな点に留意した活動を思い浮かべるか。「一人では寂しいのでみんなで仲良くしよう」型の場面指導になりがちだが、対話を重視し、その成立を体験させる、などの取り組みにしたい。

「うん」「うなずく」「違う」「同じ」「ありがとう」でも対話は成立し、自分の意志を表現し、互いに認め合ったこととなる。このような取り組みにしたい。

事前に場面が示されている場合は、何を活用しての場面指導にするかで合否は決まってしまう。教材研究をしたかどうかだからである。

当日に場面が示される場面指導は、日頃の自分自身が取り組んできた学びの集大成である。頭の中にある知識を総動員して、児童生徒の側に立って考えるとよい。