神谷正孝の5分でわかる教育時事(10)小学校英語 採用試験で積極的な評価の流れも

eye-catch_1024-768_kamiya2017kei塾主任講師 神谷正孝

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。今回取り上げるのは、2017年改訂学習指導要領の先行実施として、小学校でこの4月から始まった中学年の「外国語活動」および高学年の「外国語」についてです。教員採用試験においても、受験者の外国語の能力を積極的に評価しようという流れも加速しています。また、特に小学校受験者などは2次試験においても、問われる項目であると言えます。これを機にしっかりと内容を確認しておきましょう。

学習指導要領改訂の基になった中教審答申では、「グローバル化の急速な進展が、社会のあらゆる分野に影響する現在やこれからの社会の在り方を考えると、外国語、特に国際共通語としての英語によるコミュニケーション能力は、これまでのように一部の業種や職種だけでなく、子供たちがどのような職業に就くとしても、生涯にわたるさまざまな場面で必要とされることが想定され、今まで以上にその能力の向上が課題となっている」と指摘されています(傍線引用者)。(参考資料PDF

 

ヒトやモノがたやすく国境を越えて、経済のグローバル化が一層進展する2030年代以降の社会においても、外国語によるコミュニケーション能力は非常に重要です。

このようなことを考慮すると、外国語の能力を習得し向上させることは、今後の生き方や在り方についての新たな可能性を示してくれるものであるとも言えます。

1998年版の学習指導要領における、「総合的な学習の時間」(以下「総合」)の「内容の取扱い」で、小学校で外国語を取り扱う際の留意点を示して以降、さまざまな形で「総合」の時間に外国語活動が取り入れられるようになり、2008年版の学習指導要領では、高学年に「外国語活動」が設定されました。そして、17年版の学習指導要領においては、高学年に教科としての「外国語」を導入し、「外国語活動」は中学年から前倒しで実施することとなりました。18年4月より、移行措置が始まり、現在、外国語が「教科」として取り扱われています。

教材ラインアップも、文部科学省から中学年向けに「Let’s try」、高学年向けに「We can」が発行され充実しつつあります。小学校受験者は、文部科学省ウェブサイトの外国語教育のページも確認しておきましょう。特に、小学校全科で英語が出題される自治体の場合、各種教材で取り扱っている範囲を知り、取り扱っている単語などを確認することも必要です。

「外国語活動」と「外国語」の具体的な相違点は図表を見てもらいたいと思います。一言でいえば、「外国語活動」では英語の4技能のうち、「話す」「聞く」に重点化した内容が示され、その延長線上に高学年の「外国語」が位置付けられます。「外国語」では、基本的な語彙(ごい)や文法も含め、「聞く」「話す(やりとり)」「話す(発表)」などを踏まえながら「読む」「書く」についてもバランスを重視した学習を展開します。中学校以降の「オールイングリッシュ」を基本とした授業への入り口として、高学年の「外国語」は大きな意味を持っています。

なお、「外国語」の指導について面接や討論で問われた際には、以下の2点を心掛けるとよいでしょう。1点目は「外国語だけではなく国語の指導も充実させる」ことです。これは、外国語の早期からの教育には賛否両論があることを踏まえています。2点目は「外国語の知識・技能の習得のみならず、外国語を用いて何をするか」です。新学習指導要領が掲げる、児童生徒に身に付けさせるべき資質・能力の「三つの柱」のうち、「学ぶに向かう力・人間性等」の視点が大切です。外国語を習得し、その上で何を成すかが特に重要であり、面接や討論においても、それを踏まえた意見陳述が重要になるはずです。

【例題】
例題1 次の文章は平成29年改訂の小学校学習指導要領「外国語活動」からの抜粋である。空欄に適する語句を補充しなさい。

外国語による( 1 )における見方・考え方を働かせ,外国語による( 2 )こと,( 3 )ことの言語活動を通して,( 1 )を図る素地となる資質・能力を次のとおり育成することを目指す。
(1)外国語を通して,言語や文化について( 4 )的に理解を深め,日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。
(2)身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを( 5 )の素地を養う。
(3)外国語を通して,言語やその背景にある文化に対する理解を深め,相手に配慮しながら,主体的に外国語を用いて( 1 )を図ろうとする態度を養う。

例題1
解答
1:コミュニケーション  2:聞くこと 3:話すこと  4:体験 5:伝え合う力
解説
目標を確認しておこう。
例題2 外国語活動の目標についての説明として適切でないものを,次の1~5から1つ選びなさい。

1.外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,話すことの言語活動を通して,コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を育成する。
2.外国語を通して,言語や文化について体験的に理解を深め,日本語と外国語との音声の違い等に気付くとともに,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむようにする。
3.身近で簡単な事柄について,外国語で聞いたり話したりして自分の考えや気持ちなどを伝え合う力の素地を養う。
4.外国語を通して,言語やその背景にある文化に対する理解を深め,相手に配慮しながら,主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
5.コミュニケーションを行う目的や場面,状況などに応じて,身近で簡単な事柄について,聞いたり話したりするとともに,外国語の語彙や基本的な表現を推測しながら読んだり,語順を意識しながら書いたりして,自分の考えや気持ちなどを伝え合うことができる基礎的な力を養う。

例題2 
解答5 解説:5は高学年の外国語の目標である。

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