直前対策 論作文で他と差をつける工夫は 採点官に評価されるために

執筆のポイントを紹介

いよいよ来月は、採用試験の本番である。直前対策として、他の受験者と差をつけるための論作文執筆のポイントをいくつか紹介しよう。

実際の体験を大切にする

論文を説得力のあるものとするには、体験を含めて自分の考えを述べる部分が重要となる。新任教師にも実践的指導力が求められる現場の実態から考えると、体験の重みがより一層増してくる。教育実習で子供たちと話し、今、何に興味を持っているかを知った、どういうときに学習意欲が増すのか分かった、などの実体験を適切に取り入れると論文がいきいきとしてくる。

実際に、学校現場での体験は、教育実習以外では難しい。だからこそ教育実習中はどん欲なまでに子供たちと関わることが大切である。実習終了後も積極的に学校と連絡を取り、体験を豊かにしていきたい。実習ノートや記録を振り返り、子供たちとどのように関わったのかを思い出し、整理しておく。

知的関心を示す

論文作成のためには、与えられたテーマ、課題について、背景や現状、社会における一般的意見の知的な理解が求められる。あるかないかで、論文の出来具合を大きく左右する。評価の際、論文から受験者の知的レベルを測り、教育者としてふさわしいかどうか見極めるのである。

「道徳の教科化」がテーマで出されたら、道徳の教科化の歴史的な流れ(戦後の学習指導要領の流れ)、教科化の背景(いじめ問題との関連など)、教科化に関する社会の意見といった、内容を理解した上で論述しているかどうかが、評価の分かれ目となる。今日的な教育課題への知的関心が無理なく示せるようにしたい。情報収集を怠りなく行うことだ。

一貫した内容、表現とする

はじめからまとめまで一貫した流れで表現されている論文の評価は高い。逆にはじめの主張が途中で消えてしまい、まとめでは違う主張になってしまう、という例も少なくないようだ。テーマが示されたとき、まず論文の構想をきちんと練ることで防げるだろう。

一つの文章で、主語と述語が合っていないものがある。「学力は…、求めている」というように、主述の関係が乱れている。論述しているうちに、主語を見失ってしまったのであろう。見直しのときに内容的な見直しとともに、こうした文章表現についてもチェックする。

客観性で説得力を持たせる

論文に説得力を持たせるにはどうしたらよいか。

「この〇〇について、どのように受け止めたか」という課題が与えられたとき、論述者の考えや意見が客観性を持っているかどうかが説得力につながる。独りよがりの考えや主張にこだわっていてはいけない。

そのためには、例えば中教審の答申や文科省の各種通知の内容が論文に反映されていることが望ましい。調査結果などが適切に盛り込まれているのも客観性を高める。
また、体験や実践に基づいた的確な教育観、結論が示されているとよい。

教職への熱意を示す

論文では、受験者がある課題についてどのような考えを持っているのか、その課題解決に向けてどのような策を講じることができるのか、関連する具体的な事例を知っているか、などに採点官は興味を持っている。

これらと共に教職への強い意欲が読み取れることが望ましい。課題をしっかりと受け止め、自分のこれまでの実践や体験を生かしながら、教師になってからの取り組みを論じ、加えて教職への強い思いを表現することが大切である。

これらが示されていれば、論文の形式にはあまりこだわらなくてもよいだろう。