月刊『教員養成セミナー』前編集長/教育ジャーナリスト 佐藤明彦
教員採用試験では、自治体によっては論文試験がある。「論文」と言っても、長さはせいぜい1000字前後。400字詰め原稿用紙で2~3枚程度であるから、むしろ「作文」と呼んだ方が適切かもしれない。自治体によっては、「小論文」「論作文」などと呼ばれており、学術的な論文とは全く非なるものと捉えた方がよい。
それこそ卒業論文や博士論文をイメージして本番に臨めば、痛い目に遭う。これら論文では「定量的考察」に基づく「客観的見解」が求められるのに対し、教員採用試験では「個人的経験」に基づく「主観的見解」が求められるからだ。
もし日本の学校教育を客観的に考察し、淡々と課題や解決策を論じたとしたら、評論家のようだとして良い評価は与えられない。……
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