直前講座 合否を分ける教採対策10の「新常識」(4)新学習指導要領は面接でも問われる

月刊『教員養成セミナー』前編集長/教育ジャーナリスト 佐藤明彦

学習指導要領が、約10年に1回の改訂時期を迎えている。小学校では2020年度から、中学校では2021年度から全面実施予定で、「社会に開かれた教育課程」や「主体的・対話的で深い学び」への取り組みがスタートする。現場の教員にとっては、何かと大変な時期であろう。

「大変」といえば、教員採用試験の受験者も同様で、10年に1回の改訂時期に当たってしまったことは不運と言うほかない。新学習指導要領は目指す理念が非常に難解で、対策が難儀だからだ。「『深い学び』とはどのようなものか」と問われれば、講師経験者も含めた多くの受験者が回答に窮するに違いない。

2018年度実施試験においては、筆記試験での対策も必要となる。2017年度実施試験では、すでに小・中学校の新学習指導要領が告示されていたが、大半の自治体は現行学習指導要領から出題した。スケジュール的に、問題作成が間に合わなかったからだ。しかし、2018年度は大半の自治体が、新学習指導要領から出題してくるものと予想されている。大幅に膨れ上がった「総則」をどう攻略するかなど、頭が痛い。

一方で、筆記試験対策さえ万全にすれば、それで安心というわけではない。面接試験でも問われる可能性が高いからだ。押さえておきたいキーワードとして「社会に開かれた教育課程」「主体的・対話的で深い学び」「カリキュラム・マネジメント」「資質能力の三つの柱」などがあり、それぞれを説明できるようにしておくことはもちろん、「どう実践するか」まで回答できるようにしておく必要がある。

三つのキーワードのうち、最も厄介なのは「カリキュラム・マネジメント」だろう。「マネジメント」という語感から、管理職が取り組む課題と考える者もいるが、個々の教員にも深く関わってくる概念であり、面接試験でも「どう取り組むか」と問われる可能性がある。

「カリキュラム・マネジメント」において、教採対策で押さえておくべきポイントは大きく2点ある。1点目は「教科横断的」な視点。教育活動は、教科による「縦割り」で進められがちだが、新学習指導要領では、各教科の知識・技能を横断的に活用する力の育成が求められている。その意味で、小学校教員には教科を見渡した授業が、中学校と高校の教員には担当外教科とのつながりを意識した授業が、それぞれ求められる。

2点目は「PDCAサイクル」。日々の教育活動を「計画(Plan)」「実施(Do)」「評価(Check)」「改善(Action)」のプロセスで、常に改善を図っていく姿勢が求められる。

その他のキーワードも含め、面接試験での回答力を高めるためには、実践のイメージを描き、言葉で説明できるようにしておく必要がある。実践経験の少ない大学生などは、事例集に目を通すなどして見識を深めておきたい。