神谷正孝の5分でわかる教育時事2017-2018(11)第3期教育振興基本計画 指導要領と併せて理解を

eye-catch_1024-768_kamiya2017kei塾主任講師 神谷正孝

皆さんこんにちは。仙台を拠点とする教員採用試験対策専門スクールkei塾主任講師の神谷です。今回取り上げるのは、「第3期教育振興基本計画」です。2006年の教育基本法改正により、政府が作成することになった「教育振興基本計画」は、08年度からの第1期計画、13年度からの第2期計画に引き続き、中教審の答申を基にした18年度からの第3期計画が、この6月に閣議決定されました。今夏の試験で、計画そのものが直接出題されることはないと思われますが、現状分析と今後5年間の教育のビジョンが示されており、一読すると教育時事の全てが分かります。学習指導要領改訂の背景と併せて理解するとよいでしょう。

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教育振興計画は政府が策定する計画で、PDCAというマネジメントサイクルに行政政策を当てはめるものです。数値的な目標達成も考慮した評価指標と前回計画の評価に基づく改善方策をまとめたもので、「基本的な方針」の下、複数の具体的な政策がぶら下がっています。政府が策定した計画を基に、各都道府県においても作成されています。

最近の1次試験筆記試験では、ご当地教育時事として、行政政策等が出題されることも多くなっています。また、2次試験においては、面接で聞かれることもあるので、各都道府県で策定している教育振興基本計画については内容を確認しておきましょう。

さて、第3期計画では、第2期計画の「自立」「協働」「創造」の理念を引き継ぎ、人材育成に反映させています。併せて、「一人一人が豊かで安心して暮らせる社会の実現や、社会の持続的な成長・発展を目指すこととし、こうした教育の目指す姿の実現や、人生100年時代における生涯を通じた学びの機会の保障など、2030年以降の社会の変化を見据えた課題解決に向けた教育政策の基本的な方針を示す」(第3期教育振興基本計画の策定に向けた基本的な考え方)としています。

基本方針として示されたのは、以下の5点です。

1 夢と志を持ち、可能性に挑戦するために必要となる力を育成する

2 社会の持続的な発展を牽引するための多様な力を育成する

3 生涯学び、活躍できる環境を整える

4 誰もが社会の担い手となるための学びのセーフティネットを構築する

5 教育政策推進のための基盤を整備する

このうち、採用試験においては、教員として取り組むべきことに直結する1および2が重要となるでしょう。また、なぜこのような力の育成が求められているのか、その背景も押さえる必要があります。

2030年以降の社会について、「Society 5.0」なる言葉も登場しています。「超スマート社会」の意で、モノのインターネット化である「IoT」や、ドローンによる流通革命、ロボットやAIの進展と、社会構造の大きな変化は、新学習指導要領の改訂の背景ともつながるものがあります。調べていくと、今後必要となる力として挙げられていることがスムーズにつながるはずです。

新しい言葉は「受け身」の姿勢でなく、「当事者」「ジブンゴト」として捉える姿勢が大切です。中央教育審議会答申「第3期教育振興基本計画について」(2018年3月)の第一部に目を通しておくとよいでしょう。1次試験の準備を進めてきた今だからこそ、これまでの知識がつながってくるはずです。

【例題】

例題1 次の文章は第3期教育振興基本計画で示された「基本的な方針」である。空欄に適する語句を補充しなさい。

 

1 夢と志を持ち、( 1 )に挑戦するために必要となる力を育成する

2 社会の持続的な発展を牽引するための( 2 )を育成する

3 ( 3 )学び、活躍できる環境を整える

4 誰もが社会の担い手となるための学びの( 4 )を構築する

5 教育政策推進のための基盤を整備する

 

 

例題1

解答

1:可能性  2:多様な力 3:生涯  4:セーフティネット

 

例題2 次に示すのは教育基本法の条文である。空欄に適する語句を補充しなさい。

 

第17条 ( 1 )は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育の振興に関する施策についての基本的な方針及び講ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、これを( 2 )に報告するとともに、( 3 )しなければならない。

2 地方公共団体は、前項の計画を参酌し、その( 4 )の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のための施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。

 

例題2

解答

1:政府 2:国会 3:報告 4:地域

解説

教育振興基本計画について規定した教育基本法の条文。しっかり押さえよう。策定するのは「政府」である。「国」「文部科学大臣」などと混同に注意。また、計画を策定後、国会報告・公表が規定されている。地方公共団体における教育振興基本計画の策定は「努力規定」として法令では示されている。

 

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