ここがポイント 合格する模擬授業(21)机間指導のタイミング

eye-catch_1024-768_kenmochi帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉

模擬授業をしている間、教壇から一歩も離れず、前面だけでの授業がよいのだろうか。

わずか10分程度の間に、机間指導は必要なのか。何もしないほうがよいのか。するとしたらどのようなタイミングで行えばよいのか。

これらを考えてみよう。

(1)机間指導の果たす役割

机間指導の本来の役割は、①個別の対応②習熟度に応じた対応③次の課題を解決するためのアドバイス④自力解決のヒントを与える⑤児童生徒一人一人の学びの理解度を把握⑥目標提示に向けてきらりと光る考えを持っている児童生徒を把握⑦全体指導で生かす考え方を明確化⑧本時の目標の達成度を把握⑨指導の方向性や全体指導の軌道修正のヒントにする⑩次につながる活動を明確化――などである。

これらの役割を認識して、教壇に立つことが前提となる。

導入段階ではサポートする児童生徒がある程度限られている。模擬授業においては、前時の問題を解いている1~2分間でどう動くかである。互いに説明し合う場面などではその様子を把握して次の全体指導に生かす必要がある。

(2)対話活動の際の教師の動き

児童生徒相互に話し合ったり、説明し合ったりする場面では、机間指導で状況を判断しなければならない。その際は、腰を落として児童生徒の目線で関わることが大切である。

対話活動の効果は、①互いの状況を確認する②思いやりの精神で関わる②自己表現の場として「うなずく」「はい」「いいえ」の意志を伝える③「できること」「できないこと」ではなく、途中までも自己表現として生かす④誰とでも関わる――である。

特に②③を身に付けるための対話活動であり、それを実践する教師であることが重要である。

机間指導の在り方に言及したが、通常は全体指導型だけで終わるケースが少なくない。場面として設問を解いたり、児童生徒相互で関わったりするような指導を実践したい。

目標提示までの振り返りの在り方を考え、それに合わせて机間指導を取り入れる。前に立っているだけの模擬授業だけにはならないようにしたい。

「そんなことをしている余裕がない」「緊張しており、目標提示までを早く終わらせたい」と誰もが思うだろう。そこに机間指導の適切な間が効果発揮する的になるのかもしれない。