ここから始まる試験対策 来年の受験に向けて

今夏の教員採用試験は一段落したところであろう。それはつまり、来年の採用試験まで正味1年を切ったということでもある。教員採用試験は内容が幅広く、多様な試験が課されるので、次年度受験を予定している者は効率よく準備をしていく必要がある。すぐに取りかかったほうがよいものを見ていこう。

○志望する自治体を絞って特徴を探る

教員採用試験は、全ての都道府県および政令指定都市で実施されている。受験する自治体を絞っていこう。住民票のある県でなくては受験できない、などという制約は一切ないので、地元で受験するか、大学のある県にするか、または興味のある自治体を受けるか、よく考えよう。

今の時点で、一つに絞る必要はないが、2~3の自治体に焦点を当て、その自治体の教育の特徴、試験の内容などをよく知ることから始めたい。

筆記試験は、自治体ごとに内容や形式が違うので、過去問題をそろえて分析しよう。

今年の1次試験が終わったため、ほとんどの自治体では、今年の採用試験の筆記試験問題を公開し始めている。ホームページなどで公開されることが多い。

○過去問と方針などチェック

試験内容については、過去2~3年分の問題も見ることができる。3年分ほどさかのぼってチェックすると、どの分野がよく出題されるのかなど、その自治体の出題傾向が分かってくるため、欠かせない取り組みである。

志望自治体の教育に関する基本的なデータも調べておく。小中高校の学校数、児童生徒数、教職員数は、ここ数年間の推移を押さえておきたい。学校基本調査は各自治体ごとに発表されているので、ホームページなどでチェックする。

問題行動に関する調査結果も公表される。いじめ、不登校、校内暴力などの推移を押さえる。

現在、自治体では、教育に関する基本方針、教育振興計画の策定が義務付けられている。これにも目を通す。各自治体が抱える教育課題、それに対する方針やプランが分かる。知っていると面接や論作文で役に立つ。

○新学習指導要領を分析して学ぶ

小学校、中学校の新学習指導要領は、2017年3月に告示された。全面実施は小学校が2020年、中学校が2021年となっている。目指す理念として「社会に開かれた教育課程」を掲げている。

高校の新学習指導要領は、2018年3月に告示。19年度から移行措置が始まり、22年度から年次進行で実施される。小中の新指導要領改訂を踏襲しながらも、高大接続改革への対応を見据えた内容となっている。

今夏の試験においてもその傾向は出始めているが、今後数年は新しい学習指導要領が試験の中心課題となると言ってもよい。

改訂の内容をきちんと押さえ、背景、目指すものなどを理解しておく。特に教師になったら、それをどのように実現していくか、自分の言葉で語れるようにしておきたい。これは今から取り組まないと的確な考えはまとまらないだろう。

○3年間の教育時事に精通する

教育改革が進められる中、さまざまな施策が打ち出されている。近年は教育時事に関する比重が高まってきているので、この流れを押さえておく。

教育に関するニュースのチェックは日々取り組み、試験直前まで行う。過去の教育時事については、少なくても過去3年程度まで通じておいたほうがよい。

新学習指導要領関連をはじめ、各種答申、報告、通知もきちんと集めておこう。教育政策の動向を知っておくことは、試験対策上重要である。

ぜひ押さえておきたい、ここ数年の教育時事は次の通り。

▽新学習指導要領

▽道徳の教科化

▽英語教育の改革

▽第3期教育振興基本計画

▽教員の働き方改革

▽部活動の在り方

▽幼児教育・高等教育の無償化

▽高大接続の改革

▽教員の資質・能力の向上

▽教員のメンタルヘルス

▽いじめ防止対策―重大事態の調査

▽不登校児童生徒への支援・教育機会の確保

▽体罰の禁止

▽児童虐待

▽子供の貧困対策

▽LGBTへの対応

▽障害者差別の解消の推進

▽学校の危機管理―学校安全・事故・防災

▽教育の情報化―プログラミング教育、AI

○学校現場を体験する

教育実習で学校に行くが、それだけでは物足りない。学校への興味がないのかと思われる。

2学期からでも、ぜひ「学生ボランティア」で学校現場を体験することをお勧めする。最近の採用試験では、学校における具体的な指導場面を設定し、対応を答えさせたり記述させたりすることが多く、学校現場体験が多い受験者が有利になっている。

多くの自治体では、学生ボランティアによる補助教員制度を取り入れている。これからでも遅くはないので、教育委員会に問い合わせて、2学期からでも学生ボランティアとして学校体験をしておきたい。

また、大学に募集が来ていることも少なくないので、確認しよう。

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