合格を勝ち取る教採対策講座 ウォーミングアップ編(2)「日程」の確認と「受験自治体」の決定


月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦


教員採用試験を受験する人にお勧めしているのが、複数自治体の「併願」です。もちろん、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ようなものではありませんが、第二志望を受験することのメリットは多岐にわたります。

最大のメリットは、第一志望を受ける前に、「試験慣れ」ができることでしょう。実際、そうした目的の下で、試験日程の早い高知県(2018年度は6月23日)や北海道(同6月24日)を併願する受験者は数多くいます。

一方で、ご存じの方も多いと思いますが、教員採用試験は原則として、近隣自治体を併願できません。1次試験の日程(実施日)が統一されているからです。関東地方でいえば、18年度は7月8日に、どの自治体も一斉に1次試験が行われました。これでは身体が二つない限り、複数自治体の受験は不可能です。自治体間による受験者の奪い合いを回避するための仕組みなのですが、教員志望者にとっては何とも疎ましいところです。

もちろん、近隣自治体でなければ、併願は可能です。教員採用試験は受験料がタダなので、3自治体受けようが、4自治体受けようが、かかる負担は交通費のみ。もちろん、遠隔地に赴けば相応の額にはなりますが、得られるメリットを考えれば安いものでしょう。私の知る受験者の中には、夜行バスで東京・広島間を往復し、「0泊3日」の強行軍で遠征した人もいます。

また、大学推薦や特別選考で1次試験を免除されている場合は、2次試験の日程が重ならない限り、近隣自治体との併願が可能です。ただし、大学推薦を受けた人が複数自治体から合格をもらった場合は、必ず推薦を受けた自治体を選ぶようにしましょう。

併願において悩ましいのは、第二志望の併願先だけ合格した場合です。その際は、思い切って合格した自治体に赴任することをお勧めします。教師という仕事の醍醐味(だいごみ)は日本中のどこでも味わえますし、「住めば都」で愛着が湧くこともあります。どうしても生まれ育った地元がよい人は、数年間の教員経験を経た後、特別選考で再受験してもよいでしょう。

併願先を選ぶ際、日程と共に留意したいのが試験内容です。例えば第一志望の自治体に論文試験がない場合は、同じく論文試験のない自治体を選ばないと負担が大きくなります。同様に模擬授業や集団討論なども対策が大変なので、有無をチェックしましょう。